『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』-半世紀の想い出その5
かの「ヤマト」を継ぐ、とも謡われた『銀河英雄伝説』と出会ったのは、大学時代でした。
大学時代の友人の一人は、下宿の壁一面にマンガやVHSテープ(なにしろ1980年代終わり頃の話ですから)が並ぶ、今で言う典型的「オタク」でした。そんな彼の下宿には友人たちが集まり、彼に敬意を表しつつ、コレクションを観たり読んだりさせてもらっていました。
そんなある日、彼の下宿にたむろしていた皆に彼が披露してくれたのが『銀河英雄伝説』石黒版アニメでした。
予備知識なく見始めたのですが、すぐに「何だこのすごいアニメは!!」と引き込まれてしまいました。1話見終えたらまたその次、それが終わったらまたその次、とあるだけ次から次へと……彼のストックが尽きた時には夜がしらじらと明け始めていました。普段は徹夜なんてできないのに、この時は苦にもなりませんでした(徹夜はその後大学院の研究室でちょくちょくするようになりましたが ^^;)
内容には触れませんが、一点、ちょうどかの天安門事件(1989年)が起こった頃であり、作中の「スタジアムの虐殺」は「まるで(当時報道されていた)天安門事件そのものじゃないか!」と驚いたものです。
アニメで使われたマーラーの交響曲第一番、ドヴォルザークの第九番『新世界より』、チャイコフスキーの『悲壮』、ショスタコーヴィチの第5番『革命』……数多くのクラシックがアニメ映像と切り離せない形で記憶に刻まれています。
そして時は巡り、『ヤマト』も『銀英伝』もリメイク版が登場しましたが……これまでにもこのブログ内でも触れたように、やっぱりなんか違うんですよね。リメイク版『ヤマト』では交響組曲も新たに発売されましたが……

左は本連載の初めにもお示ししている、1977年版の交響組曲ジャケット。対する右は、リメイク版にあわせて2021年に発売されたジャケット。
1977年版は松本零士先生による描き下ろしで、あまりにも有名な松本美女の妖艶な美しさ、芸術的な飾り文字によるタイトルロゴ、このジャケットだけで一枚の芸術的絵画と言っても過言ではありません。
右は……どうですかね。
なんかアニメ調のお目々ぱっちりな、子供のような……これはスターシャ? いやテレサ??
……これは違う!!
大変申し訳ないけど、このジャケットでもリメイク版は……あくまで個人の感想ですが、オリジナルに触れてしまった世代としては、到底及ばないな、と思ってしまうのですよ。
リメイク版しか見ていない、あるいは先に見た方には申し訳ないですが、半世紀前にそれほど巨大なインパクトを世の中に与えたものだった、ということでご理解ください。
ちなみにまだアルファベットに慣れていなかった小学生時代、この芸術的ロゴに魅せられ、真似て書いてみたものでした。それから十数年後、社会人となって海外の医療機器メーカーと英語でFAX(当時はまだメールなんて一般的じゃなかったのよ!!)をやり取りした際、自筆サインはこのタイトルロゴを参考にしたスタイルになっていました。
それから『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(1978)。
これも内容は触れませんが、実は父に連れて行ってもらったほぼ唯一の映画でした。普段テレビチャンネルを独占してプロ野球ばかり観ていた(だから私は今もプロ野球嫌いですが)父が、どういう風の吹きまわしか、連れて行ってくれたのです。

そして私は気の弱い子供だったので、自分からあれが欲しいこれが欲しいとは言わなかったのですが、どういうわけか父は映画の後、売店で『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 音楽集』を買ってくれました。話した記憶はありませんが、ヤマトの交響組曲を聴き込んでいたのを知っていたのかも知れません。
今この歳になっても、ヤマトの音楽やクラシックに触れると、小学校時代の友人、亡き父との数少ない思い出、大学時代の友人たち、社会人になってからも『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』を紹介してその後振られた女性のこととか(爆)、ジャケットを参考にした自筆サインでやり取りした仕事、高校時代から今現在でも付き合いの続く友人とのヤマトや銀英伝の会話……直接関係ないことまで芋づる式に、まるで走馬灯のように……
っておい、俺死ぬのか?
いやいや死ぬ気はもちろんありませんが、この半世紀、いかに大きな影響を受けてきたか、考え方や好みのベースの一つになっているか、あらためて思い知らされます。ヤマトワールドとその音楽に出会えたことは、大きな幸運であったと感じます。
途中間があいてしまいましたが、ヤマトワールドとその音楽に係った方々に感謝しつつ、集中掲載を終了したいと思います。
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『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』-半世紀の想い出その1
『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』-半世紀の想い出その2
『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』-半世紀の想い出その3
『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』-半世紀の想い出その4
大学時代の友人の一人は、下宿の壁一面にマンガやVHSテープ(なにしろ1980年代終わり頃の話ですから)が並ぶ、今で言う典型的「オタク」でした。そんな彼の下宿には友人たちが集まり、彼に敬意を表しつつ、コレクションを観たり読んだりさせてもらっていました。
そんなある日、彼の下宿にたむろしていた皆に彼が披露してくれたのが『銀河英雄伝説』石黒版アニメでした。
予備知識なく見始めたのですが、すぐに「何だこのすごいアニメは!!」と引き込まれてしまいました。1話見終えたらまたその次、それが終わったらまたその次、とあるだけ次から次へと……彼のストックが尽きた時には夜がしらじらと明け始めていました。普段は徹夜なんてできないのに、この時は苦にもなりませんでした(徹夜はその後大学院の研究室でちょくちょくするようになりましたが ^^;)
内容には触れませんが、一点、ちょうどかの天安門事件(1989年)が起こった頃であり、作中の「スタジアムの虐殺」は「まるで(当時報道されていた)天安門事件そのものじゃないか!」と驚いたものです。
アニメで使われたマーラーの交響曲第一番、ドヴォルザークの第九番『新世界より』、チャイコフスキーの『悲壮』、ショスタコーヴィチの第5番『革命』……数多くのクラシックがアニメ映像と切り離せない形で記憶に刻まれています。
そして時は巡り、『ヤマト』も『銀英伝』もリメイク版が登場しましたが……これまでにもこのブログ内でも触れたように、やっぱりなんか違うんですよね。リメイク版『ヤマト』では交響組曲も新たに発売されましたが……

左は本連載の初めにもお示ししている、1977年版の交響組曲ジャケット。対する右は、リメイク版にあわせて2021年に発売されたジャケット。
1977年版は松本零士先生による描き下ろしで、あまりにも有名な松本美女の妖艶な美しさ、芸術的な飾り文字によるタイトルロゴ、このジャケットだけで一枚の芸術的絵画と言っても過言ではありません。
右は……どうですかね。
なんかアニメ調のお目々ぱっちりな、子供のような……これはスターシャ? いやテレサ??
……これは違う!!
大変申し訳ないけど、このジャケットでもリメイク版は……あくまで個人の感想ですが、オリジナルに触れてしまった世代としては、到底及ばないな、と思ってしまうのですよ。
リメイク版しか見ていない、あるいは先に見た方には申し訳ないですが、半世紀前にそれほど巨大なインパクトを世の中に与えたものだった、ということでご理解ください。
ちなみにまだアルファベットに慣れていなかった小学生時代、この芸術的ロゴに魅せられ、真似て書いてみたものでした。それから十数年後、社会人となって海外の医療機器メーカーと英語でFAX(当時はまだメールなんて一般的じゃなかったのよ!!)をやり取りした際、自筆サインはこのタイトルロゴを参考にしたスタイルになっていました。
それから『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』(1978)。
これも内容は触れませんが、実は父に連れて行ってもらったほぼ唯一の映画でした。普段テレビチャンネルを独占してプロ野球ばかり観ていた(だから私は今もプロ野球嫌いですが)父が、どういう風の吹きまわしか、連れて行ってくれたのです。

そして私は気の弱い子供だったので、自分からあれが欲しいこれが欲しいとは言わなかったのですが、どういうわけか父は映画の後、売店で『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 音楽集』を買ってくれました。話した記憶はありませんが、ヤマトの交響組曲を聴き込んでいたのを知っていたのかも知れません。
今この歳になっても、ヤマトの音楽やクラシックに触れると、小学校時代の友人、亡き父との数少ない思い出、大学時代の友人たち、社会人になってからも『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』を紹介してその後振られた女性のこととか(爆)、ジャケットを参考にした自筆サインでやり取りした仕事、高校時代から今現在でも付き合いの続く友人とのヤマトや銀英伝の会話……直接関係ないことまで芋づる式に、まるで走馬灯のように……
っておい、俺死ぬのか?
いやいや死ぬ気はもちろんありませんが、この半世紀、いかに大きな影響を受けてきたか、考え方や好みのベースの一つになっているか、あらためて思い知らされます。ヤマトワールドとその音楽に出会えたことは、大きな幸運であったと感じます。
途中間があいてしまいましたが、ヤマトワールドとその音楽に係った方々に感謝しつつ、集中掲載を終了したいと思います。
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