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選挙と「泣き婆伝説」

へろんです。
衆議院選挙の投票日が近づいています。
当初はさんざん持ち上げられた希望の党は各種調査によると予想以上に大失速、与党優勢が報じられています。これでは与党との連立もあるんじゃないかと危惧されます。こちらの記事では否定していますけど……。
この中で与党優勢について「ひとえに野党が分散していることも手伝っていると思う」とおっしゃってますが……誰がかち割ったんですか。与党に対しては全野党が束にならないといけないぐらいなのに、選別を振りかざして「踏み絵」を踏ませたのは。こんな姿勢も失速の一因になったのは確かだと思います。

与党は選挙で勝利したらこう言うでしょう。

 森友・加計問題? 問題なーし!

 消費税増税? オッケー!

 原発推進? ゴー!

 憲法改正? ゴー!!

 だって選挙で国民の信任を得たんだもーん!!

これらのことに対してオッケーだったら良いのですが、一つでも反対したいものがあったら投票に行くべきなんでしょうね。棄権はこれらのことにオッケーしたのと同じことになるのでしょうから。
週末は台風が近づいて秋雨前線を刺激して大雨の可能性もあるのだとか……でも今は期日前投票もありますし。今回の選挙、期日前投票は増えているそうですね。

さて、選挙になるといつも思い出すのは、梶尾真治先生の「泣き婆伝説」。
「泣き婆伝説」表紙

ひょんなことから高校の後輩にあたる八咬またよしの選挙応援をすることになってしまった主人公、加塩貧二。八咬またよしはどう見ても泡沫候補でしかなかったけど、選挙活動で少しずつ有権者の反応も良くなっていきます。しかし、永年選挙に携わる人々の間には「泣き婆伝説」が言い伝えられていました。選挙中に泣きながら握手を求めてくる老婆、すなわち「泣き婆」に出会うと、必ず落選するというのです。そして選挙終盤、伝説を上回る大勢の泣き婆が出現し……。

この作品、主人公の「加塩貧二」は作者「梶尾真治」とだぶりますし、1992年夏の参議院選挙の、熊本の選挙区をモデルとしているらしいです。
作中、応援演説で加塩貧二はマイクを手に訴えます。

「日本にもかつて過去には素晴らしい政治家が生まれています。でも今や、選挙制度はもとより、政治家の世襲、金のばらまき、組織に乗った代表、タレントでなけれな政治家になれないように政治の世界は淀みきって、自浄化能力はまったくありません」
「彼の行動を有権者が認めて頂ければ、全国で第二、第三の八咬またよしが立ち上がるきっかけになるのではないでしょうか。最初は小さな雨粒が、小川になり、大河に変わって、必ず政治の流れを変えることができると信じています」


それにしてもこの作品で感じるのは、「金のかからない選挙に挑戦!」と謳った八咬またよし陣営でさえ、庶民はそうそう出せないほどのお金がかかること。現実の選挙ではもっともっと多額のお金がかかっているのでしょう。いったい選挙に出ている人々は、どうやってお金を工面しているのでしょうか。

消費税が上がったぐらいでは大して痛くもないお金持ちばかりなんでしょうか。

それともお金を工面する過程で嫌でもいろんな「しがらみ」に囚われていくのでしょうか。

そんな現状を少しでも変えようと思ったら、やはり投票に行くしかないのでしょうね(棄権は当選した人に投票したのと同じことですから)。
「最初は小さな雨粒が、小川になり、大河に変わって、必ず政治の流れを変えることができると信じています」と、私も信じたいものです。

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へろん(♂)としろ(♀)の夫婦ですが、最近はへろん一人で書いてます。「御朱印」「SF」が多くなってますので、カテゴリからご興味のあるジャンルをお選び下さい。古い記事でもコメント頂けると喜びます。拍手コメントは気付くのが遅れてしまうことがありますが、申し訳ございません m(_ _)m

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