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東京都・東京タワー水族館

へろんです。
またまた台風が突っ込んできますね。皆様どうぞお気を付けください。

2018年7月、たまたま見かけたネットニュースで「東京タワー水族館が閉館の危機」という記事を見かけました。
ええっ、東京タワー水族館はこれまでに2回訪れた思い出の場所なのですが、それが閉館……!?

報道によると、東京タワーは日本電波塔(株)が運営しており、そこに入るテナントとして営業していたそうです。しかしここ数年、賃料の未払いが続いたことから、電波塔が物件明け渡しと賃料支払いを求めて東京地裁に提訴していたのだとか。
そして2018年9月1日、東京タワー水族館は9月30日で閉館することが発表されました。

東京といえば東京タワー。スカイツリーもありますが、様々な作品にも登場してきたシンボリックな存在、戦後日本とともに歩んできた長い歴史、特徴的で温かい外観、などなどから東京タワーの方がずっとお気に入りです。
その一階に水族館があるというのも大きなポイントだったのですが、それが閉館とはとても残念なことです。

前回東京タワー水族館に行ったのは、2013年12月28日。東京に所用があって一泊した際、仕事が終わってホテルに行くまでの時間に訪れました。

増上寺と東京タワー
増上寺と東京タワー。この頃はまだ御朱印も知らず神社仏閣巡りに目覚めていなかったので、通り過ぎていましたが……(苦笑)

東京タワー展望台からの夕景
日が沈む前に、夕景を期待して東京タワー展望台に上りました。この日は富士山もよく見えました。地平線近く、写真左方から右へ横にまっすぐ伸びた雲が、富士山を目指す生き物のように見えます。外国人の方が「ドラゴン」と言いながら指さしてました。

東京タワー水族館パンフレット
東京タワー水族館は世界初の観賞魚専門の水族館として1978年に開館、今年は40周年にあたります。900種類、5万匹の観賞魚が生息地別に分類・展示されています。

東京タワー水族館
最近流行りの巨大な水槽をドンと置くタイプではなく、小さな水槽がたくさん置かれています。それだけ多数の種類を展示しているということでしょうか。ちょうどペットショップの展示に似ているかも知れません。

東京タワー水族館の東京タワーオブジェ
年末で正月も近いということで、門松付きのディスプレイもありました。手前にはディスカスが泳いでいます。

東京タワー水族館の魚たち


東京タワー水族館の魚たち


東京タワー水族館の魚たち


ジャウー Zungaro jahu
ジャウー Zungaro jahu
ちょうどシールで顔が隠れてしまっていますが(^^;)ゞ
アマゾン河に生息する大型ナマズ。大きさ1.5メートルとありましたが、調べてみると2メートルと書いてある資料もあります。「人食いナマズ」の異名を持ち、現地では胃の中から人骨が出てきたという話もあるとか……(資料によっては信憑性は定かでない、とされていますが)

ムブ(淡水フグ)
ムブと呼ばれる、中央アフリカに生息する世界一大きな淡水フグ、とこれも大型魚の一つです。自然下では70センチ以上にもなるのだとか。体の唐草模様は成長するにしたがって複雑になっていくのだそうです。

東京タワー水族館の魚たち
撮った写真は見栄えのせいか撮りやすかったのか、なぜか大型魚の写真が多いのですが、小さな魚もたくさんいました。本当は小さく可愛らしい魚も大好きなのですが、なかなかきれいに撮れません。これはシクリッドの水槽ですね。

東京タワー水族館のスッポンモドキ
なんとカメ(スッポンモドキ)も泳いでいました。

東京タワー水族館のヒレナガゴイ(ヒレナガニシキゴイ?)
「ヒレナガゴイ」という名前で、「日本のニシキゴイとインドネシアのヒレナガゴイを交配させた改良品種」と説明されていました。ニシキゴイ×ヒレナガゴイ=ヒレナガゴイ?? 調べてみるとヒレナガニシキゴイというのもいるそうなので、正しくは「ヒレナガニシキゴイ」なのかもしれませんね。

水槽をメンテ中の従業員さん
ちょうど水槽のメンテ中の従業員さんがいらっしゃいました。

東京タワー水族館
でもねー、確かにちょっと人が少ないかなあ、という気もしましたよ……。

東京タワーのイメージキャラクター、ノッポン
水族館のすぐ外ではタワーに上る人や記念写真を撮る人や、結構にぎやかだったんですが……。東京タワーのイメージキャラクター、ノッポンとの記念撮影で列ができていました。

西暦が電飾された東京タワー
水族館を後にして振り返ると、東京タワーの展望台の部分に「2013」の電飾が。西暦表示は2000年以降、年末年始にのみ行われているそうです。

水族館に入館する時、受付の方と「20年ぐらい前にも一度来たことがあるんですよー」などとお話しさせて頂いていましたが、今回閉館と聞いて、最初に行ったのはいつだったのだろう? と断片的な日記をずっと遡ってみると……
ありました。1995年5月5日に東京タワー水族館を訪れたという記述が。
この時写真も撮ったよなー、と押入れを探して、ようやく当時のポケットアルバム(DPEに現像を頼むとついてきた小さなもの)に入った写真を見つけました。
そうです、まだデジカメが普及していなかった時代の銀塩写真です。

当時はフィルム代+現像代でそれなりの費用がかかりましたから、今のように一回の旅行で何百枚も写真を撮るのとはまるっきり違います。
そんな中で撮っていた水族館での写真。

1995年当時の東京タワー水族館の魚たち


1995年当時の東京タワー水族館の魚たち


1995年当時の東京タワー水族館の魚たち


1995年当時の東京タワー水族館の魚たち

やっぱり当時も大型魚ばかり撮っていたようです……(^^;)
この頃は自宅で熱帯魚を飼っていましたので、好きなコリドラスの雑誌を2冊ほど売店で買って帰った記憶があります。この時の本もどこかにあるはずなんだけど……。

思いがけず20年以上前のまだ平和だった時代(苦笑)の思い出まで掘り起こすことになりました。
そんな思い出の地が今月いっぱいでなくなってしまうのは悲しいものです。東京近郊にでも住んでいたらもう一回訪れたかったところです。にしても最後の土日に台風が来るというのも意地が悪い……。
せめて閉館後に魚たちがちゃんと引き取ってもらえるように祈りたいものです。いつかどこかの水族館で「東京タワー水族館出身」なんて書いてあったら嬉しいですね。


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徳島市・金長神社の話題。

へろんです。
2018年9月17日、たまたま見た報道番組で、徳島県小松島市の金長神社に関するニュースが放送されていました。気になったので、寺社仏閣カテゴリでは初めて、まだ訪れたことのない場所を取り上げさせていただきます。

四国には狸に関する伝承が多く伝えられています。「八百八狸」はかの「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場して私も知ったのですが、江戸時代に講談として広まった「松山騒動八百八狸物語」が基のようです。

信楽焼きの狸

「八百八狸」みたいに狸がいっぱいだとこんな感じ?(^^) こんなカワイイ狸だったら大歓迎ですけどね。写真は2009年10月10日に滋賀県の信楽で撮ったものです。

金長神社に祀られている金長大明神は、もともと江戸末期に物語として成立したとみられる「阿波狸合戦」に登場する「金長(きんちょう)」という名の狸だそうです。
1939年(昭和14年)には映画「阿波狸合戦」が公開され、その大ヒットの礼の意を込めて当時の映画会社関係者が日峰山に金長神社本宮を建立。1956年(昭和31年)、別の場所に祀られていた金長大明神を勧請して翌年に建立されたのが金長神社だそうです。「金長神社本宮」と「金長神社」の二つがあってちょっとややこしいのですが、今回話題になっているのは1956年に建立された金長神社の方です。

1994年公開のアニメ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」では、東京の乱開発に対抗するため四国の三長老が呼び寄せられます。そのうちの一人(?)が「六代目金長」。まさに金長神社に祀られる金長大明神(の子孫? 化身? 何というのか分かりませんが……)というわけですね。アニメで登場する神社の風景は、実在の金長神社そっくりなのだそうです。

ところが……報道されたところによると、このあたりの土地を防災拠点にするべく公園の整備計画が立てられたのですが、その完成予想図では、現在神社がある場所は駐車場になっているというのです。
では今ある神社は……??
2018年3月13日付けの徳島新聞が「取り壊される可能性がある」と報じたようですが、これに対し市民から反発の声が上がり、現在も「金長神社を守る会」公式ブログ金長大明神小松島復興大作戦ぽんぽこなどで活動が続けられています。ネット上も含め署名活動も行われており、2018年7月31日に提出したネット署名は7094筆、うち海外は765筆と、1割以上が海外の方からだったそうです(遅くなりましたが7/31提出分ネット署名を集計してみました)。さすが“ジブリの聖地”だけあって海外からの注目も大きいようですね。

ジブリ作品はワタクシ的に、「ナウシカ」「ラピュタ」などの大好きな作品と、「千と千尋」や「ポニョ」などの嫌いな作品との真っ二つに二分されるのですが、「平成狸合戦ぽんぽこ」は大好きな作品の一つです。この作品ゆかりの場所がもしもなくなるとすれば残念なことですし、徳島にとっても貴重な観光資源を失うどころか、世界的に恥をかくことになるのではないでしょうか。
そもそも観光を抜きにしても、その土地の信仰に係るものを行政が勝手にどうこうしてしまうというのは、いかがなものでしょうか? 確かにいろいろと難しいこともあって、所有者が定かではないといった問題もあるようですが、分からないからといって、何の話し合いもなく完成予想図から消してしまうのはおかしいんでないかい?

2018年4月17日付けで掲載されたFNN PRIMEの記事「ジブリ映画の聖地が無くなる!?防災か観光かで揺れる街」では「大事な観光資源なので無くすことは考えていない」と答えられているようです。
また防災公園にするのは良いとして、その中に神社を残しても良いのではないかとも思いますが、2018年3月17日付けの「タヌキを祀った神社が取り壊し? 小松島市に詳細を聞くと、難しい事情も」によると、「都市公園法では市の公園に神社を設置することを認めていない」のだとか。なぜなんでしょうね……??

最近になって、2018年9月21日付けの記事では「ジブリ映画にも登場・金長神社保存方法「議論する場設置を」有識者会議提言」という動きも出ているようです。

ちなみに、中にはこんな記事(「金長神社」取り壊しへの抗議活動か 映画さながらの怪現象が次々ボッ発」)も。「野生のタヌキが抗議活動している!?」という記事ですが、本当にあってくれたらと思いますね。

徳島市遠景

2013年10月13日に徳島を訪れた時の風景。左下に見えるドームはとくしま動物園のフライングケージです。この写真に写っている範囲はおそらく徳島市内だと思われます。件の小松島市は徳島市の南にあります(この写真では右方)。
そういえば徳島って、今年(2018年)は阿波踊りで何やらもめていたのが全国的に報道されていましたね。市は違いますし単純比較はできませんが、根っこに同じようなものがある気がします。


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映画「カメラを止めるな!」感想

へろんです。
異例の大ヒットで話題になっている映画「カメラを止めるな!」。私自身は普段SF以外あまり観ることもなく、あまのじゃくな性格なので世間で話題になるとかえって観に行く気が低下するのですが、妻がゾンビ映画のファンということもありまして、2018年9月2日に二人で観てきました。

「カメラを止めるな!」広告

で、何でこの記事がSFカテゴリなのかと言いますと、本ブログにはSF以外のフィクションのカテゴリを設けていないということもありますが、後ほどあるSF映画にも触れますので……。
まぁゾンビものも広義のSFに入れることは可能かもしれません。ただ言ってしまえば、本作品はある意味ゾンビ映画ではない、と思います。と書くとネタバレになるかな? できるだけネタバレは避けるつもりですが、勘の良い方には○○に似ている、というだけでばれてしまうかも知れませんね。その点ご了承ください。ただ、ゾンビが苦手、と言う方にも、大丈夫ですよ、そんな心配なく楽しめる映画ですよ、と言いたいがために、敢えて「ゾンビ映画ではない」と書いております。

       *       *       *

人里離れた山の中で、自主映画の撮影クルーがゾンビ映画の撮影を行っている。リアリティーを求める監督の要求はエスカレートし、なかなかOKの声はかからず、テイク数は42を数えていた。その時、彼らは本物のゾンビの襲撃を受け、大興奮した監督がカメラを回し続ける一方、撮影クルーは次々とゾンビ化していき……(シネマトゥデイあらすじより)

冒頭から37分は、あらすじにも述べられている、ワンシーンワンカットの映像がずっと流れます。37分もの間、ノーカットでずっとつながった場面展開が続いていくのですから、これはすごいと思います。が……妙に不自然な部分があったり意味不明の展開があったりして、うーん、これだけで終わるとちょっとなぁ……と思っていたのですが……

37分でエンドロールが流れ、ワンカット映像が終了します。聞くところによると、なかにはここで本当に映画が終わったと思って席を立ってしまう慌て者もいるようですが、この映画の上映時間は96分なんですよ、お兄さん!(私も最初のエンドロールが出た時は思わず時計を見返しました(^^)

上の広告にも「最後まで席を立つな。この映画は二度はじまる」とありますが、37分のワンカット映像終了後、新たにストーリーが始まります。で、この中で、37分ワンカット映像の中にあった妙に不自然な部分や意味不明の展開、さらには上手いのか下手なのか分からない演技や監督の異常なテンション、これらすべては理由のあることで、意味を持ってつながっていきます。最初に何が描いてあるのか分からないピースが散らばっていて、それがすべてキレイに組み合わさって完成するパズルのように。このあたりの伏線回収の見事さは、感嘆の一言に尽きます。

この作品を見て思い出したのが、邦画の時間SFではワタクシ的に第1位と思っている「サマータイムマシン・ブルース」(2005年)。

「サマータイムマシン・ブルース」チラシ

この作品の前半では、思わせぶりな人影とかつじつまの合わない会話とかがあり、観ていても「よく分からんな~」と感じてしまうのですが、後半で別の視点から描かれることにより、見事につじつまが合います。
現実の物理的時間 (昨日から今日への一方通行) と、個人の主観的時間とは本来同じはずですが、ここにタイムマシンが登場すると、後者が一方通行ではなくなります。 すると物理的時間にしたがってストーリーが進行している間は 「よく分からん」 ことになるのですが、同じ場面を主観的時間に沿って改めて描き直されると、見事につじつまが合うわけですね。 これこそ時間SFの醍醐味の一つであり、「カメラを止めるな!」にもタイムマシンこそ登場しませんが、同様の見事な構図があります。「カメラを止めるな!」をお気に召した方には、「サマータイムマシン・ブルース」もお勧めです。

そしてもう一つ思い出したのが、「ラヂオの時間」(1997年)。
普段SF以外はほとんど観ない私ですが、広告の隅にロケットにまたがった人が小さく描かれており、これは何だろう?と気になってテレビで放送された際に観てみたのですが……

「ラヂオの時間」チラシ

この映画は一言でいえば、一般応募の原作を元にしたラジオドラマが、バカな俳優どものわがままで捻じ曲げられ、メチャクチャにされるというお話。
生放送のラジオドラマを作り上げようとする「ラヂオの時間」と、37分のワンカット映像を作り上げようとする「カメラを止めるな!」とは似ているとは思いますが、ワタクシ的にはつまらない「ラヂオの時間」と似ていると言われても、「カメラを止めるな!」には迷惑なだけかもしれません。正直なところ、「物語」を愛する者として、物語ることを真っ向から愚弄してくれた「ラヂオの時間」はどうも好きになれません。
それにしてもこの作品は荒唐無稽です。ねじ曲げられたラジオドラマが、ではなく、この「ラヂオの時間」という映画そのものが。生放送ゆえにここまで混乱するという喜劇なのでしょうが、どう見たっていちばん悪いのは、好き勝手なことをわめくバカな俳優どもです。「銀河英雄伝説」に登場する、あまりにも愚かしい大貴族やそのバカ息子どもと、いい勝負です。
知ったような顔で原作者の主婦に説教(?)たれる大物俳優も登場しますが、あんた説教する相手を間違ってるぞ! ぐだぐだ偉そーなことぬかすんなら、先にテメェのバカな後輩どもをきちんと指導せんかい!! それができねぇんなら、テメェもブラウンシュバイク公(@「銀河英雄伝説」)と五十歩百歩じゃい!!
最後は何とか丸く収まって「よかったよかった」みたいに終わりますが、いちばん悪いのはワガママ一方のバカな俳優どもです。そこが非難されることなく終わって、これでいいのでしょうか? 面白くするための変更ならばともかく、単なるワガママによる変更でも「終わりよければ全て良し」なのでしょうか?
それこそ「それでもいいじゃん」なのかも知れませんが、作中ではたまたま最後には丸く収まったからよかったものの、これが収まらなかったら、バカどもはいったいどう責任をとるつもりだったのでしょう(いや、こいつら「責任」という単語そのものを知らないに違いない)。

対して、「カメラを止めるな!」では監督がアドリブで文句を垂れていた俳優をどなりつけたり、たとえ作りものでもゲロはダメ、などとかわがままを言ってた女優が本物のゲロをぶっかけられたりと、スカッとさせられます(このあたりの痛快さは東洋オンラインの記事でも解説されています)。現実はどうしても不条理なのですから、せめてフィクションはこうでなくてはいけません。
最後には皆が一丸となって作品を完成させていく姿には感動すら覚えました。「物語」を愛する者として、物語ることを真っ正面から讃えてくれたこの作品は、これまでに観たSF以外の映画の中ではトップクラスのお気に入りとなっています。

直撃、来ます!

へろんです。
SFや戦記物で、ミサイルなどが向かってくるのを探知したレーダー係がよくこう叫んでいます。中には光速で飛んでくるビームでこう叫んでいる作品もあったりしますが……(そして中には宇宙船がそれを避けたりしてるんですぜ!? 光速よりも速く回避できるの……!?

2018年9月4日、台風21号がまともにこちらに向かってくるのを見て、この「直撃、来ます!」というセリフを思い出していました。ある意味ちょっと不謹慎かな? ゴメンナサイ m(_ _)m
今年はほんと台風が多いですね。海面水温が平年より高いことが原因のようですが、やはり温暖化の影響でしょうか。以前より、温暖化というのは単純に温かくなるということではなく、気候の不安定化、極端化にあると警鐘を鳴らす意見がありましたが、そうなりつつあるように感じます。

午後には台風直撃が予想される今朝は、電車もかなり空いていました。百貨店などの大型店舗も今日は臨時休業するという……。
それにしても、そうやって会社としてちゃんと休業を決めるホワイト企業でもなく、絶対出てこい!などと無茶を言うブラック企業でもなく、あくまで「自宅待機や早期退社は、状況を見ながら自己責任で判断してください」を貫いたうちの会社って……グレー??

結局は昼前には皆撤収を決断し、電車が動いている間に帰宅しました。14時現在、かなり激しい雨が窓に叩き付けられるように降っています。皆様もどうかお気を付けくださいませ。
さて、こっそり持ち帰ってきた仕事の続きでもやるとしましょうか…… ┐(´_`)┌

パンダといえば・・・

へろんです。
前回の国立科学博物館特別展の記事の最後に付け加えようと思っていたのですが、博物館に行くべく上野駅で降りると、何やらパンダネタをいくつか見かけました。

上野駅のパンダ

そっかー、そう言えばローカルニュースでやってたけど、上野の動物園にもパンダっていたよな。子どもが生まれたんだっけ??

そんな程度の認識で、博物館へ急ぐべく速足で通り抜けます。
上野といえば、国立科学博物館。ここにはもう何度も訪れ、一度中に入れば何時間でも時間を忘れて過ごしてしまいます。

でも、上野の動物園って行ったことないんですよねー。ジャイアントパンダがいるらしいけど、パンダといえば和歌山と神戸。上野に来たら国立科学博物館だけで時間を目一杯使ってしまいますので、和歌山や神戸でも見れるや、とわざわざ入ることはなかったんですね。

ん? どうやら上野でパンダの赤ちゃんが生まれたのは1年前のことのようです。なんだ、だったら和歌山のアドベンチャーワールドでは今年、2018年の8月14日にも赤ちゃんが生まれてるんですぜ?

そう思ってパンダのネットニュースを見てると、東京と和歌山でパンダの取り上げ方が違いすぎる! と話題になってるニュースをいくつか見つけました。
【地域格差】パンダの赤ちゃん誕生で東京と和歌山の報道の違いが話題wwwによると「いまだに和歌山や神戸にパンダがいる事すら知らない人も。 東京偏向って、こういう事よ、こういう事」。えー、それはいけませんねえ。「在京マスコミさんは、東京だけが日本だと思ってて、それでニュースを組み立てる」。

「上野のパンダなぜ少子化 “多産”和歌山と異なる理由」は2017年6月12日に上野で赤ちゃんが生まれた時の記事で、「日本中がこのおめでたいニュースでもちきりだ」と書かれています。

えっ、日本中?? そうだったの??

去年の6月に生まれてたって、ニュースでちょっとぐらいやってたかも知れないけど、記憶に残ってないなあ。どこが「日本中がもちきり」なんだか。だったら和歌山のニュースももっともっと全国版でバンバン流してほしいものですな。

アドベンチャーワールドの紹介ページに家系図などが詳しく載っていますが、2018年現在和歌山で見られるパンダは5頭。
永明(えいめい。オス、1992年中国生まれ、1994年に来日。梅梅(めいめい、1994~2008)との間に6頭、良浜(らうひん)との間に9頭(2018年現在)もの子どもを儲ける)、良浜(らうひん。メス、2000年和歌山生まれ。日本国内では12年ぶりの赤ちゃんとして誕生、2008年以降6回の出産で9頭の赤ちゃんを産み育てる)、そしてこの2頭の間の子どものうち桜浜(おうひん)、桃浜(とうひん)、結浜(ゆいひん)の3頭がいます。ここに8月14日に赤ちゃんが加わったわけですね。

和歌山アドベンチャーワールドのパンダ
2011年3月5日に撮影した和歌山のパンダ。

和歌山アドベンチャーワールドのパンダ


和歌山アドベンチャーワールドのパンダ
この時点では8頭ぐらいのパンダがいた計算になります(うち何頭が公開されていたかは分かりませんが)。

永明は来日してから実にたくさんの子どもを儲けたわけですが、2018年現在和歌山にいる子パンダは4頭。では残りの子パンダはというと、中国に返還されているんですね。2004年から2014年の間に、実に11頭もが中国に帰っています。

日本に限らず、世界中のパンダはすべて中国からのレンタルで、プレゼントなどは一切できなくなっています。パンダは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定され、1975年に発効したワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に中国が加盟(1981年)したことによって、国際取引が禁止されてしまっているためです。1972年に来日したカンカン、ランランはその前だったため、プレゼントという形だったんですね。中国国外で生まれた子どもも中国に保有権があり、いずれは中国へ返還しなければならない協定があるそうです。(ただし2016年には絶滅危惧種リストから外され、危急種扱い)

中国返還はいずこの国も同様で、2017年にはアメリカから中国への返還もニュースになっていましたね。
だったら和歌山から中国への返還ももっと取り上げようよう。

ワシントン条約は仕方ないとしても、「パンダ外交」とも揶揄される中国政府の政策はどうなんだろうなあ、と考えさせられます。中国政府は「台湾も中国の一部」という政治的意図からパンダをプレゼントしようとしたり、それに対して時の台湾政権が反発してみたり。
また、パンダは中国のものかチベットのものか、というところでも意見が分かれているようです。
パンダやそれに熱中する子供たちに罪はありませんが、難しいものです。

ちなみに。
今上野でもてはやされているシャンシャンも当然、早ければ2019年にも中国へ送られるそうです。

もう一つ、日本でパンダを見ることができるのが神戸市立王子動物園。阪神大震災の復興を願ってパンダ2頭を2000年7月から10年契約で借り受け、2010年に借入期間を5年延長。この時点では日本にいるパンダは神戸と和歌山だけでした。2015年にさらに5年延長されましたが、現在の契約が終了する2020年には心配なニュースも出ているようです。中国野生動物保護協会が「繁殖や研究が期待通りに進んでいない」と指摘、引き続き貸与契約を結ぶのは難しいとの意向を示唆したのだとか……。
2020年には東京オリンピックなんぞより気になるニュースです。

神戸市立王子動物園のパンダ


神戸市立王子動物園のパンダ
2008年6月15日に撮影した神戸のパンダ。この時点で王子動物園には雌の旦旦(タンタン)、雄の興興(コウコウ)がいました。

さて。
和歌山は2016年時点で「出産頭数、成長した子供の数、ともに中国本土を除けば世界最多」(wikipedia「アドベンチャーワールド」)と讃えられ、日本のパンダの中心地は和歌山であると断言して構わないと思いますが、それはもちろん施設のスタッフの皆さんの努力の賜物であることに加え、雄パンダの永明の旺盛な繁殖力にあるということも言えそうです。
永明は「飼育下で自然交配し、繁殖した世界最高齢のジャイアントパンダ」とされ、「群れのリーダーとしていばりくさるタイプではなく、異性の応援を追い風に上がっていくタイプで、交尾の際も雌が発情するまで優しく待つんだそうです」なんだとか。

これだけ人気のあるパンダですし、近年どーでもいい有名人ばかりが受賞している国民栄誉賞ですが、永明に国民栄誉賞をあげても良いのではないでしょうか(笑)。あ、東京偏重でシャンシャンにだけあげる、なんてのは絶対ダメですよ。人間じゃないとダメ? だったら上野・神戸と共同受賞ででも、スタッフの皆さんに差し上げたい。国民栄誉賞の目的は「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えること」なんだから、充分ふさわしいと思うんですけどね。

神戸・南京町の中華街にいたパンダ(笑)
おまけ。神戸・南京町の中華街にいたパンダ(笑)


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