高知県・鯨館、アクアファーム、ジオパークセンター
へろんです。
高知旅行3日目、今回は比較的知名度が低いと思われる室戸の博物館施設、3ヶ所を一気に行きます。

まずは室戸岬の西側、道の駅キラメッセ室戸にある「鯨館」。

入館券にも見られる、クジラのシルエットを描いたイラストが随所に使われていて素敵です。

入ってすぐ、館内中央には勢子舟(古式捕鯨に用いられた手漕ぎの舟)とクジラの模型が。
このメイン展示を見て、和歌山県の太地町立くじらの博物館を思い出しました。

太地町立くじらの博物館の展示。2014年1月3日撮影。
決して似てるのが悪いというわけではないですよ。同じテーマの博物館で展示が似てくるのは、ごく自然なことです。ちなみに捕鯨自身も室戸と太地で深いつながりがあるそうです。
和歌山の博物館では、クジラも勢子舟も宙に浮いており、実際の位置関係も近いですよね。
室戸では勢子舟は下にいて、クジラが宙を飛んでいますが、これにはちゃんと理由があります。

入館した時に渡されたヘッドセット。勢子舟に乗ってこれを装着すれば、360°パノラマオーシャンビューのVR(仮想現実)を見ることが出来ます。

その画像は当然写真に撮ることはできませんので、パンフレットに掲載されているイメージ画像です。
船上に乗った視点から、下を向けば海中の光景まで見ることができ、これは面白かったです。実は勢子舟に乗らずとも、どこでもこれを装着すれば見れるのですが、人の行き来する通路などでこれを装着してうろうろすると危険ですので、勢子舟に乗って装着する、と決められているようですね。
もう一つ見所??とされているのが、何やらアプリをダウンロードして展望デッキで写真を撮ると、合成写真が撮れるらしい。

これもパンフレットに掲載されている写真。
上の勢子舟はいかにも「絵」なので何ですが、クジラは上手く撮れるのなら良いかもしれませんね。でもスマホの操作がまだまだ分からんですので、今回は挑戦しませんでしたが(^^;)

室戸市の中道寺に祀られる「クジラ一千頭の位牌」。
正徳年間のある夜、クジラの化身であるという娘が寺を訪れ、自分は捕獲される運命にあるので来世で浮かばれるよう祈ってほしい、と嘆願したそうです。この大位牌は1837年(天保8年)、クジラ捕獲数が千頭に達したのを機に祀られたものそうです。事前に中道寺にお願いすれば位牌を拝見できる、とのこと。いつかお参りしてみたいものです。

かのC.W.ニコルが名誉館長を務めているそうです(このパネルは後述のアクアファームのもの)。
この鯨館は2017年にリニューアルオープンしたそうで、そのため今時のデジタル展示に力を入れいているようですね。

海岸沿いでは、黒っぽい縞々の岩をところどころで見かけました。タービダイト(turbidite;砂岩泥岩互層)と呼ばれる、深海底で重い砂と軽い泥が交互に堆積してできあがったものだそうです。
この黒い岩というのも、和歌山の南端付近ととてもよく似てるんですよね。
続いて、室戸岬の西側にある室戸海洋深層水アクアファーム。ちょっと地味な感じで一度通り過ぎてしまい、引き返して入ったのですが(^^;)

海洋深層水の研究と事業化を目指して、2000年4月に設立。室戸岬沖から海洋深層水を取水している施設で、パネル展示やビデオ、取水管のジオラマなどが展示されています。
室戸岬沖は急激に深くなっていることから海洋深層水を採取しやすいとされ、水深374メートルの深海から1日に4000トンもの海洋深層水を取水しているそうです。その取水過程で深海の生物を吸い込んできてしまうこともあるようで、そうして採取されたらしい生物が展示されていました。

ユメカサゴ
水深100~500メートルに棲む深海魚。胸鰭が何だか手のように見えます。じっと動かない魚ですが、もしかするとこの“手”を使って海底を歩いているのかもしれませんね。

別名「ノドグロ」と呼ばれますが、いわゆるノドグロ(アカムツ)とは別種。しかしこのユメカサゴも食べると美味しい、のだそうです。

コツノガニ
水深200~820メートルに棲む小型のカニ。「タカアシガニを小型化したような姿」と説明されていました。

吊るされた札に「海洋深層水 ミニ水族館」とあったので開けようとしましたが、開きませんでした。すると係員さんが飛んできて「そっちには何もありませんよ」。どうやら今見ていたユメカサゴなどの水槽が「ミニ水族館」だったようです。

海洋深層水関連商品もいっぱい展示されていました。
そして3つ目、アクアファームから北へ数キロのところにある室戸世界ジオパークセンター。


2018年9月に日本ジオパーク再認定審査で「再認定」、2019年には世界認定の審査があるそうです。「再認定」というと一度ダメだったのが返り咲いた、という意味かと思ったのですが、どうやら前回に引き続きOKだった、という意味のようです。

個人的には蝶が好きなので、これがいちばん興味をひかれた展示だったりします。
室戸は日本でも有数の迷蝶(本来はその土地にいない蝶が、台風や偏西風に乗って飛来するもの)が多い場所とされているそうで、沖縄以南に生息する蝶がこうして採集されることがあります。

ジオパークだけあって、プレートテクトニクスの解説なども充実していましたが、さすがにゆっくり読む時間と余力がありませんでした。
プレートテクトニクスは私のもっとも敬愛するSF作家、小松左京先生の『日本沈没』で重要なキーワードになっています。

2005年(平成17年)10月に設立された高知コア研究所の解説。
「コア」とは地中や海底から採取された地層サンプルで、西太平洋とインド洋から採取された深海掘削コア試料はここで保管されているそうです。アメリカのテキサスM&A大学、ドイツのブレーメン大学と並ぶ「世界3大コア保管施設」の一つ。
こんな重要施設があったとは知りませんでした。もしも『日本沈没』現代版が描かれるとしたら、この施設も絶対登場するのでは。

休憩に売店で買って食べた「高知県室戸名産・青のりの香るアイス」。海苔とアイスって合うのかと思いましたが、塩味が程よく、予想以上に美味しかったです。
高知旅行最終日ということで、室戸の施設を一気に回ったため(実はこの3ヶ所だけでなく、もう2ヶ所まわってます。次回にでもアップ予定)ほんとに急ぎ足でしたが、それぞれ小さいながらも頑張っておられる施設で、入って良かったです。願わくばもっと賑わって、充実していってほしいですね。

にほんブログ村

にほんブログ村
高知旅行3日目、今回は比較的知名度が低いと思われる室戸の博物館施設、3ヶ所を一気に行きます。

まずは室戸岬の西側、道の駅キラメッセ室戸にある「鯨館」。

入館券にも見られる、クジラのシルエットを描いたイラストが随所に使われていて素敵です。

入ってすぐ、館内中央には勢子舟(古式捕鯨に用いられた手漕ぎの舟)とクジラの模型が。
このメイン展示を見て、和歌山県の太地町立くじらの博物館を思い出しました。

太地町立くじらの博物館の展示。2014年1月3日撮影。
決して似てるのが悪いというわけではないですよ。同じテーマの博物館で展示が似てくるのは、ごく自然なことです。ちなみに捕鯨自身も室戸と太地で深いつながりがあるそうです。
和歌山の博物館では、クジラも勢子舟も宙に浮いており、実際の位置関係も近いですよね。
室戸では勢子舟は下にいて、クジラが宙を飛んでいますが、これにはちゃんと理由があります。

入館した時に渡されたヘッドセット。勢子舟に乗ってこれを装着すれば、360°パノラマオーシャンビューのVR(仮想現実)を見ることが出来ます。

その画像は当然写真に撮ることはできませんので、パンフレットに掲載されているイメージ画像です。
船上に乗った視点から、下を向けば海中の光景まで見ることができ、これは面白かったです。実は勢子舟に乗らずとも、どこでもこれを装着すれば見れるのですが、人の行き来する通路などでこれを装着してうろうろすると危険ですので、勢子舟に乗って装着する、と決められているようですね。
もう一つ見所??とされているのが、何やらアプリをダウンロードして展望デッキで写真を撮ると、合成写真が撮れるらしい。

これもパンフレットに掲載されている写真。
上の勢子舟はいかにも「絵」なので何ですが、クジラは上手く撮れるのなら良いかもしれませんね。でもスマホの操作がまだまだ分からんですので、今回は挑戦しませんでしたが(^^;)

室戸市の中道寺に祀られる「クジラ一千頭の位牌」。
正徳年間のある夜、クジラの化身であるという娘が寺を訪れ、自分は捕獲される運命にあるので来世で浮かばれるよう祈ってほしい、と嘆願したそうです。この大位牌は1837年(天保8年)、クジラ捕獲数が千頭に達したのを機に祀られたものそうです。事前に中道寺にお願いすれば位牌を拝見できる、とのこと。いつかお参りしてみたいものです。

かのC.W.ニコルが名誉館長を務めているそうです(このパネルは後述のアクアファームのもの)。
この鯨館は2017年にリニューアルオープンしたそうで、そのため今時のデジタル展示に力を入れいているようですね。

海岸沿いでは、黒っぽい縞々の岩をところどころで見かけました。タービダイト(turbidite;砂岩泥岩互層)と呼ばれる、深海底で重い砂と軽い泥が交互に堆積してできあがったものだそうです。
この黒い岩というのも、和歌山の南端付近ととてもよく似てるんですよね。
続いて、室戸岬の西側にある室戸海洋深層水アクアファーム。ちょっと地味な感じで一度通り過ぎてしまい、引き返して入ったのですが(^^;)

海洋深層水の研究と事業化を目指して、2000年4月に設立。室戸岬沖から海洋深層水を取水している施設で、パネル展示やビデオ、取水管のジオラマなどが展示されています。
室戸岬沖は急激に深くなっていることから海洋深層水を採取しやすいとされ、水深374メートルの深海から1日に4000トンもの海洋深層水を取水しているそうです。その取水過程で深海の生物を吸い込んできてしまうこともあるようで、そうして採取されたらしい生物が展示されていました。

ユメカサゴ
水深100~500メートルに棲む深海魚。胸鰭が何だか手のように見えます。じっと動かない魚ですが、もしかするとこの“手”を使って海底を歩いているのかもしれませんね。

別名「ノドグロ」と呼ばれますが、いわゆるノドグロ(アカムツ)とは別種。しかしこのユメカサゴも食べると美味しい、のだそうです。

コツノガニ
水深200~820メートルに棲む小型のカニ。「タカアシガニを小型化したような姿」と説明されていました。

吊るされた札に「海洋深層水 ミニ水族館」とあったので開けようとしましたが、開きませんでした。すると係員さんが飛んできて「そっちには何もありませんよ」。どうやら今見ていたユメカサゴなどの水槽が「ミニ水族館」だったようです。

海洋深層水関連商品もいっぱい展示されていました。
そして3つ目、アクアファームから北へ数キロのところにある室戸世界ジオパークセンター。


2018年9月に日本ジオパーク再認定審査で「再認定」、2019年には世界認定の審査があるそうです。「再認定」というと一度ダメだったのが返り咲いた、という意味かと思ったのですが、どうやら前回に引き続きOKだった、という意味のようです。

個人的には蝶が好きなので、これがいちばん興味をひかれた展示だったりします。
室戸は日本でも有数の迷蝶(本来はその土地にいない蝶が、台風や偏西風に乗って飛来するもの)が多い場所とされているそうで、沖縄以南に生息する蝶がこうして採集されることがあります。

ジオパークだけあって、プレートテクトニクスの解説なども充実していましたが、さすがにゆっくり読む時間と余力がありませんでした。
プレートテクトニクスは私のもっとも敬愛するSF作家、小松左京先生の『日本沈没』で重要なキーワードになっています。

2005年(平成17年)10月に設立された高知コア研究所の解説。
「コア」とは地中や海底から採取された地層サンプルで、西太平洋とインド洋から採取された深海掘削コア試料はここで保管されているそうです。アメリカのテキサスM&A大学、ドイツのブレーメン大学と並ぶ「世界3大コア保管施設」の一つ。
こんな重要施設があったとは知りませんでした。もしも『日本沈没』現代版が描かれるとしたら、この施設も絶対登場するのでは。

休憩に売店で買って食べた「高知県室戸名産・青のりの香るアイス」。海苔とアイスって合うのかと思いましたが、塩味が程よく、予想以上に美味しかったです。
高知旅行最終日ということで、室戸の施設を一気に回ったため(実はこの3ヶ所だけでなく、もう2ヶ所まわってます。次回にでもアップ予定)ほんとに急ぎ足でしたが、それぞれ小さいながらも頑張っておられる施設で、入って良かったです。願わくばもっと賑わって、充実していってほしいですね。

にほんブログ村

にほんブログ村
スポンサーサイト