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岐阜県各務原市 アクア・トトぎふ

へろんです。
岐阜に行くと決まってから、ならばここは外せない! と決めていたのが、「世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ」
岐阜県に海はありませんが、そこを逆手にとった(?)淡水魚専門の水族館。淡水魚専門としては世界最大級なのだそうです。2004年(平成16年)開館、約220種 20,000点を飼育展示。

アクア・トトぎふ企画展「美しきカエルの世界」
2019年4月13日から7月7日までは、企画展「美しきカエルの世界」実施中♪

アクア・トトぎふの大混雑
しかしさすがはGW、すごい人、ヒト、ひと……

アクア・トトぎふの淡水魚水槽
ゆっくりカメラを構える間もなく押し流されていきます。それってまるで水槽の魚の群れとだぶるような気も(^^;)
混雑疲れもあって、今回は(いつも!?)良い写真が少なく申し訳ございません。

アクア・トトぎふのコツメカワウソ
コツメカワウソの「フィーディングウォッチ&ポイントガイド」……だそうですが、あまりの人だかりと喧騒で解説も聞こえず、これもゆっくり見ることもできず。
パネルには「河童伝説のもとはなんでしょう?」と大きく書かれていたものの、具体的に河童との関係についての記述はありませんでした。
一般に、カワウソは「獺」としてキツネやタヌキと同様にそれ自身が妖怪の一種と見なされたり、河童の一種といわれていたようです。

アクア・トトぎふのハリヨ
ハリヨ Gasterosteus aculeatus subsp.
日本固有亜種で、現在は岐阜県と滋賀県にのみ生息するという珍しい魚。
なおハリヨの学名は「Gasterosteus microcephalus」と書かれている資料も多いのですが、近年はイトヨ Gasterosteus aculeatus の亜種とされ、「G. a. subsp.」と表記されているのだとか。

アクア・トトぎふのイトウ
イトウ Parahucho perryi
北海道に生息する、日本最大の淡水魚。白い身体が何とも言えない不思議な雰囲気を漂わせています。特に白い個体でしょうか? アイヌ民族の間では「オヘライベ」「チライ」などと呼ばれてきたのだとか。
Wikipediaによれば、1937年には十勝川で約2.1メートルもの巨体が捕獲されたことがあるとか、学名の種小名「perryi」は、あの黒船のペリーが英国の生物学会に報告したからだそうです(@o@)
なおWikipediaではHucho属ですが、近年はParahucho属とすることが主流だそうです。変わっていくものですねえ。

アクア・トトぎふの「雲南省の魚」水槽
「雲南省の魚」水槽。どわ~、やっぱり大陸の人口密度ってば……(違)

アクア・トトぎふのメコンオオナマズ
メコンオオナマズ Pangasianodon gigas
世界最大の淡水魚の一つ。東南アジアで最も絶滅が心配されている淡水魚の一つでもあり、漁獲記録からの推定によると、1990年以降、個体数は80%以上減少していると考えられるのだとか。
まず間違いなくこの水族館の目玉の一つと思われ、Wikipediaを見ますと、以前は手塚プロダクションのキャラクターデザインによるマスコットキャラ「パパメコン」がいたそうです。2008年の岐阜新聞の記事によると、こんな感じ。しかし、今はグッズもなく紹介もされていないそうです。何かあった? それとも単に契約期間か何かの関係? 手塚ファンとしてはちょっと気になりますね。

アクア・トトぎふのメコンオオナマズ
巨体が一列に並ぶこの様子、実は宇宙船団を連想しました(^^;)

アクア・トトぎふのトランスルーセントグラスキャット
トランスルーセントグラスキャット Kryptopterus bicirrhis
東南アジアに分布する、身体が透明のナマズの仲間。観賞魚として結構ポピュラーですね。私もずっと昔に飼ってました。あの頃が懐かしい(T▽T)

アクア・トトぎふのコリドラス
コリドラスの仲間も、昔好きでよく飼ってました。難易度の高い種や希少種などは手は出しませんでしたが。コリドラスって可愛いですよね。ああ、懐かしい……(T▽T)

アクア・トトぎふで泳ぐ大型魚
大型魚も結構な密度で群れています。

アクア・トトぎふのアシカショー
アシカの「マリン」によるアシカショー。

アクア・トトぎふのアシカショー
観客席そばまで来てくれます。

そしていよいよ企画展「美しきカエルの世界」。

フライシュマンアマガエルモドキ
フライシュマンアマガエルモドキ Hyalinobatrachium fleischmanni
葉っぱの裏に隠れるようにとまってる姿しか見られませんでしたが、体は半透明の緑色で、腹側からは内臓が透けて見え、グラスフロッグとも呼ばれるのだとか(@o@) しかしちょっとネットで検索すると、こういうのもペット用に売ってるんですね。うーん……

アイゾメヤドクガエル
アイゾメヤドクガエル Dendrobates tinctorius
地域によって体の大きさや色、模様が大きく異なるそうです。「ヤドク(矢毒)」というからにはこの種も毒を持っているようですが、長期間飼育した個体は毒を持たないとも言われているのだとか。しかし、「ペット用の採取等により生息数は減少している」とも。うーん……。

モウドクフキヤガエル
モウドクフキヤガエル Phyllobates terribilis
何とも不思議な体色ですが、名前にストレートに「猛毒」というのもすごい。種小名の「terribilis」も英語の「terrible(恐ろしい)」と同義でしょうね。この種を現地人が矢毒に使用したそうです。

ファンタスティカヤドクガエル(ズアカヤドクガエル)
ファンタスティカヤドクガエル Ranitomeya fantastica
別名「ズアカヤドクガエル」ともいうように頭部が赤いのですが、葉陰から出てきてくれませんでした。

アクア・トトぎふの清流ふれあいプール
清流ふれあいプールは餌やりが人気だそうです。

アクア・トトぎふ近くの観覧車
水族館のすぐ近くには観覧車があり、天気も良いので乗ってきました。

観覧車から見たアクア・トトぎふ
観覧車から見るアクア・トトぎふの全景。真ん中付近の魚のマークはおそらくメコンオオナマズですね。

観覧車から見た木曽川流域の風景
木曽川流域には趣ある街並みが広がっていました。

アクア・トトぎふ近くのモニュメント
近くにそびえるモニュメント。1999年(平成11年)に「宝くじの普及宣伝事業として整備されたもの」と記されていましたが。

モニュメントを取り巻くお魚たち
塔を螺旋状に取り巻いているのはお魚たちでした!

なかなか見応えのある充実した水族館でしたが、いかんせん人の波が……GWでは仕方ないですね。いつかまたゆっくり訪れてみたいものです。


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岐阜県七宗町・日本最古の石博物館

へろんです。
4月にめちゃくちゃ不安定になったパソコンが、5月に入ってから急に安定しました。バックアップやらチェックやらした他は何もしてないのに……。たまに勝手に強制される「更新」が関係あるのでしょうか。不思議です……。

       *      *      *

2019年5月1日、岐阜市で御朱印を頂いた後で向かったのは、七宗町(ひちそうちょう、と読むそうです)の日本最古の石博物館
今回岐阜に行くと決めてから調べて知ったのですが、1970年(昭和45年)に発見された日本最古の石を展示する、1996年(平成8年)開館の町立博物館です。

日本最古の石博物館
UFOのような?丸っこい建物。

レッキー君とレッキーちゃん
入り口ではゆるキャラのレッキー君とレッキーちゃんがお出迎え。……って同じ名前ですか。

入館すると最初に、お子様向けの紹介映像が映し出される映像室に案内されます(すみません、最後まで観ませんでした……汗)。
映像室を出るとエレベータで下の階へ。
と、天井がチカチカ光り、壁に現れるレッキー君が語りだします。どうやら20億年前に時間遡行するというコンセプトのようで、エレベータが下がり始めると壁の数字も遡っていきます。

降下していくエレベータ
あ、慌てて撮ったのでイマイチですが……。
レッキー君の説明で「光速を超えると時間をさかのぼる」?とか何とか言ってたようで「ん?」と首を傾げた記憶があるのですが、すみません、うろ覚えです(^^;)

地下1階の展示室
エレベータから出ると、いたってオーソドックスな展示室。やっぱりこういうスタイルが落ち着きます。
世界各地から集められた先カンブリア時代の岩石など、なかなか豪華です。

地球最古の岩石
カナダ北部のスレイブ地域から見つかった、地球最古の岩石とされる39億6千万年前アキャスタ片麻岩(写真上)。
そして左下の小さめの岩石の説明を読むと……「地球最古の鉱物(約43億年前)を含む礫岩(ジャックヒルズ礫岩)」。
あれっ、上が39億6千万年前で左下が43億年前? 左下のジャックヒルズ礫岩の方が古いじゃん。この博物館の資料をはじめ、大抵アキャスタ片麻岩が最古と紹介されているのですが……。
「岩石」と「鉱物」の違い?? Wikipediaの「岩石」のページによると、「鉱物は化学組成の均質な純物質であり、岩石はその混合物である」。
うーん、アキャスタ片麻岩はその全体が39億6千万年前であり、ジャックヒルズ礫岩は含まれる一部だけが43億年前で、全体はもっと新しい、ということでしょうか?
いずれにせよ地球の年齢46億年を考えると、ものすごい話です。

21億年前の化石、グリパニア・スピラリス
21億年前と最古の多細胞生物ではないかと考えられる、グリパニア・スピラリス Gripania spiralis 。肉眼で確認できる、大型の藻類の化石ということで、矢印の先を見ると……

21億年前の化石、グリパニア・スピラリス
どうやらこの渦巻きのようです。古代の化石って小さいものが多いですが、これは確かに大きい。

日本最古の石、を含む礫岩
そしてメイン展示、ここ「七宗町で発見された20億年前の石」
……ただしこの大きな石全体が20億年前、というわけではなくて、ラベルによると「日本最古の石(約20億年前の片麻岩礫:矢印で示した礫)を含む礫岩」。
岩の上にある赤い矢印をよく見ると……

日本最古の石、は、ここ?
うーん、矢印先端の、周りより少し白い部分でしょうか??

日本最古の石、は、ここ?
この石の裏にまわると、もう一つ赤い矢印がありました。はじめは白っぽく四角い部分全体が20億年前かと思ったのですが、そんなに広い範囲ならこちらを前面に展示するのでは? もしかすると矢印先端のもっと狭い部分なのかも……。
すみません、分かりません。矢印だけではなくて、この部分を拡大写真に撮って、ここが20億年前、と分かるように枠で囲った写真パネルなどを展示されてみてはいかがでしょうか。

回転する地球儀
見上げると内部構造が分かるように切り取られた大きな地球儀が回っています。直径3.15メートル、動くものとしては、世界最大級の大きさなのだとか。

これで思い出したのが、兵庫県加西市の加西丸山総合公園にある地球儀時計。

兵庫県加西市の地球儀時計
2012年6月17日撮影。直径は5メートル。

地球儀時計のギネス出版社認証文
1998年に世界一と認定された「ギネス出版社認証文」のパネルも掲示されていました。当初は地球と同じく24時間で一回転自転していたそうですが……

地球儀時計は故障中・・・(2012年当時)
2012年当時は故障中でした……。あれから7年経ちましたが、今は修理されているのでしょうか? もしも修復されていたら、こちらが最大になるのでしょうか??

岐阜大学隕石コレクション
月起源隕石や火星起源隕石、ベスタ(小惑星帯では3番目に大きい小惑星)起源隕石など、隕石の展示が充実していました。どこから飛来したかが分かるというのもすごいものです。
「岐阜大学隕石コレクション2012」とありましたので、岐阜大学の所蔵品でしょうか?

入り口では化石探しが人気
お子様には化石探しが人気のようです。
小さい博物館ですが、思ったよりも充実した博物館でした。

ところで。
後からこの博物館関連の記事を調べていると、こんな記事を発見しました。
2019年3月25日、島根県で25億年前の岩石が発見されたというのです。
何とさらに5億年古い!

日本最古の石発見50周年の横断幕
来年2020年は日本最古の石発見から50周年として盛り上げていきたかっただろうに、七宗町も心中穏やかならざること、お察しいたします。
1970年に七宗町の岩石を発見された足立守・名古屋大学名誉教授(発見当時は大学院生)は「新しい発見は学問としては当然。それが出て来たことは、むしろうれしい」とおっしゃっています。ご立派です。
これが25億年前と確定されると、七宗町は「日本最古」と名乗れなくなるのかどうか……「博物館の名前を変更するかなどについては今後検討していくとしています」と記載されていますが……。

さらに調べてみると、こちらの記事では発見者の広島大学大学院・早坂康隆准教授が「あそこ(七宗町)には立派な博物館がありますので、津和野町の教育委員会に、七宗町のほうに津和野の石を寄贈していただくようにとお願いをしまして。ちゃんと日本最古の石を展示する博物館として継続して頑張っていただきたいと思っています」と述べておられました。

なるほど。
七宗町と津和野、両方の石が並んで展示されているのも良いですね。複数あれば、津和野でも展示すれば双方のメリットになりますし。ぜひ実現してほしいものです。
津和野では2019年4月27日より、津和野町郷土館で展示されているそうです……

ところが!
29日に展示されていたこの岩の一つがなくなっていたのだとか!!
うーん、これからどうなるか気になるニュースです。


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北崎拓 名作SF『冬のセリカ』『DEM』

へろんです。
今の世の中、何か分からないことや知らないことがあればすぐネットで調べられる、何でもネットに載っている、みたいな風潮があります。しかしその一方で、どうしてもネットには出てこない情報もあります。
例えば以前の記事でも触れました、1993年5月に訪れたものの、どこかの時点で無くなったと思われる、高知県桂浜に存在した貝類博物館

桂浜にあった「シェルパレス」入館券
2019年1月の高知旅行前に、ネット上でいくら調べても何一つ情報がありませんでした。

考えれば当たり前ですが、ネットが普及する前の物事というのは、誰かがネットにアップしなければ、ネット上に存在しません。
今やネット上に存在しなければまるで存在していなかったかのような風潮まであって、それもいかがなものかと思いますが、ネット上であまり見かけないものも、こうして紹介することにより認知度が上がってもらえれば嬉しく思います。

       *      *      *

漫画家の北崎 拓先生(1966~)といえば、どのような代表作を挙げられますでしょうか?
よく知られる代表作はSFではないはずですので(私がSF以外はほとんど読まなかったので、実はほとんど未読のため「はず」などと書いています)、北崎 拓先生のことをSF漫画家だという人は、おそらくおられないでしょう。

ただワタクシ的に北崎 拓先生の名前が強烈に印象に残ったのは、タイトルの『冬のセリカ』というSF短編に出会ったためです。
『冬のセリカ』についてネット上でさんざん調べましたが、ただ一ヶ所、作家別コミックリスト【北崎 拓編】というページにだけ、『空色みーな』全5巻 (ラポートコミックス)の第5巻に収録されているという情報が載っているだけでした。

1986年(昭和61年)と今から30年以上前、「SF BOX」と銘打って発売された、小学館の少年ビッグコミック 1月17日増刊号。

少年ビッグコミック 1986年1月17日増刊号「SF BOX」
「ショッキング・ファンタジー・ボックス」なんて奇をてらった振り仮名をつけていますが、一般的に言うSF作品を中心に集めた増刊号です。特に気に入った作品だけを切り取って保管しましたので、他にどんな作品が載っていたかは今となっては覚えていないのですが、保管したお気に入り作品の一つが、『冬のセリカ』でした。

主人公の工藤ゆたかは両親が海外に行ってしまい、「見放された」と思って不良になってしまった中学3年生。
ある時突然、「パパー」と呼びかけてくる幼女セリカにまとわりつかれてしまいます。ガールフレンドや、迷子と思って連れて行った交番のお巡りさんにも「さては隠し子か!?」と誤解されますが……(笑)

実はセリカはある異世界の住人で、その異世界は重大な問題に直面しており、ゆたかのもとに逃げてきたのでした。
ゆたかの前に姿を現した異世界の存在はその事情を語り、セリカを連れ戻そうとします。抗えないと悟ったゆたかは、セリカに語り掛けます。

「セリカ……お前は何も心配しなくていいから……オレ、一生懸命勉強して……エラくなって……すごくエラくなって……」

自分が偉くなって、セリカのいる異世界が直面している問題を解決する。そう決心したゆたかは、別れの瞬間叫びます。

「だから! お前の帰る世界にも青い空はあるんだ!!」

ゆたかの最後の決心には泣かされます。
政界や、企業や、大学などで「エラくなった」皆さん! あなた方は何のためにエラくなったんですか!? どんな理想を持っていたんですか!? その時の気持ちは、今も生き続けていますか!?
そう心の底から叫びたくなってしまう作品です。
ぜひとも注目されてほしい、再掲や映像化などがされてほしい名作です。

もう一つ、北崎先生のSFが収録されているのが『北崎 拓 選集1』(小学館、1985)。

「北崎 拓 選集1」(1985)

『むく毛のアン』『英雄行進曲』『未完成ストリート』『DEM』(前編・後編)を収録。
どれも好きな作品で、『英雄行進曲』などは映画好きや映像に関わる方などにはお勧めの名作です。この中では『DEM』が唯一のSFです。

この作品で描かれるのは、機械にとりついて人間までも機械化してしまう宇宙生命体「DEM」と人類との存亡をかけた戦いですが、DEM化した人間と戦う中で、果たしてDEMと人間の違いは何なのか、DEMは排斥すべきか、共存できるのではないかという疑問も提示されます。しかし東京で最終兵器を発動させてしまい、そんな疑問も吹き飛ばされてエンディングへとなだれ込みます。短編ゆえにそうした疑問を突き詰める間もなかったと言えるかも知れませんので、ぜひ長編化や映画化されても良い作品だと思います。
余談ですが、最終兵器発動により新宿ビル群(まだ東京都庁がない!)が吹き飛ばされる見開きページにインスパイアされて、中編漫画を一編書いてみたりしたのは前世紀の昔話(笑)。

一般にSF作家と言われない先生方の作品の中にも、SFや境界作品がたくさんあると思います。こうした作品がもっともっと知られるようになってほしいものですね。

改元御朱印狂想曲

へろんです。
2019年4月30日、「平成」が終わり、5月1日に「令和」が始まりました。
1989年に「昭和」から「平成」に変わった時は昭和天皇が亡くなったのと同時で、何だか自粛ムードやらなんやらが垂れ込めていましたから、それに比べてこういう明るい改元ってのは良いものですね。
初めて「れいわ」って打ち込んでみると、「令和」は変換候補の5番目にありました。おお、出るんだ!
一方で、これも素晴らしい、森下真先生の平成擬人化イラスト

       *      *      *

この度の改元にまつわるニュースで気になったのが、御朱印についての話題が急に数多く取り上げられるようになったこと。
平成最後の日付に長蛇の列とか、令和初日の御朱印を準備中とか……話題になるのは良いのですが、これでますます混雑してしまうなあ、と複雑な気持ち。
確かに平成最後の日付ってのも惹かれますが、月末も忙しいしなあ、と御朱印帳を見返してみますと、いちばん最近のものは以前ブログに書いた、3月9日に白絲濱神社で頂いたものでした。そうか、4月はどこも行ってなかったのか。ちょっと残念ですが、忙しかったしなぁ……。

この度のGWは、5月1日から3日にかけて、まだ訪れていなかった岐阜県に行ってきました。いくつかの博物館や街並みなどが目的でしたが、岐阜の神社仏閣も訪れて御朱印も頂けたら、と調べてみると……

岐阜市の金神社(こがねじんじゃ)が有名のようですが……んん? 毎月最終金曜日を「Premium金Day」として、この日だけ特別に金文字の御朱印が授与されるそうです。しかも5月1日は改元記念ということで、この日も特別に授与されるのだとか。
そりゃ惹かれますが、でも毎回とんでもない待ち時間になっているのだとか……。
神社のHPにも「最終金曜日は平日のため参拝・受けることができないと思われる参拝者の皆様も、ぜひ新しき元号の初日に金神社にご参拝ください」なんてあるので、これはますますえらいことになるのでは…… (((( ;゚Д゚)))

私の御朱印だけに貴重な旅行時間を費やすことはできないので、とりあえず行くだけ行ってみて、他のスケジュールに影響が出るぐらいの混雑だったら諦めるから、と妻にお願いし、まずは金神社に向かってみることにしました。
2019年5月1日午前8時。金神社の駐車場へ通じる道に差し掛かると……すでに渋滞の列が! そして神社の前にはすでに長蛇の列が!!……(@o@;)
いや予想はしていましたが、やっぱり……。雨の降りしきる中、妻も付き合わせて長時間並ぶわけにはいかないな、と諦めることに。
そこで、金神社の他に調べていた、伊奈波神社へと向かいました。

伊奈波神社社務所
こちらもかなりの混雑で列ができていましたが、無事に岐阜最初の、そして令和最初の御朱印を頂けました。

伊奈波神社御朱印


黒龍神社御朱印
末社の一社、黒龍神社は「パワースポット」として有名だそうです。

伊奈波神社の逆さ狛犬
逆さ狛犬も有名だそうで、しっかり撫でさせていただきました。

翌5月2日。午後には岐阜公園付近の博物館に行きたかったでのすが、どこも満車で行けそうにない。そこで、今日だったら限定御朱印の日じゃないし、まだ空いているのでは、ともう一度金神社に行ってみました。

金神社御朱印
金神社の駐車場も満車に近く、社務所にも列ができていましたが、ようやく金神社の御朱印も頂くことができました。
昨日のような限定御朱印の場合は、真ん中の「金神社」が金文字になるそうです。
でも昨日でも今日でも、ありがたさは変わらない、と、思いたい。
大体、初詣のようにあまりにも沢山の人が訪れる時より、少しずらした空いた時の方が神様に願いが届きやすい、という話も聞きます。だったら恐らく今日の方が……。

金祥稲荷神社御朱印


金神社の金色の鳥居
金神社の有名な金色の鳥居。
2015年(平成27年)に茶色から塗り替えられたそうです。

金神社のなんじゃもんじゃの木
なんじゃもんじゃの木(和名:ヒトツバタゴ)がこの頃満開となることでも有名だそうです。雪が降ったような白い花が美しいです。

       *      *      *

5月1日は令和初日ということで、限定ならずとも各地の神社はエライことになっていたそうですね。明治神宮では最大で10時間待ちになったとか、伊勢神宮では最大2時間以上、出雲大社でも1時間待ちになったとか…… (((( ;゚Д゚)))

そもそも御朱印というものがニュースになるだけでもすごい変わりようだと思うのですが、この過熱ぶりはちょっと心配になってきます。
案の定というか、令和初日の御朱印がネットオークションに出品されるという残念な事態も盛んに報道されています。
お詣りもせずに御朱印を落札しても意味ないと思うのですが……。

上記の記事で、筆者の中村かさね氏は「御朱印は、お札やお守りと違って霊力のある物ではない」とお書きですが……ううん、そうズバッと言われてしまうと複雑ですね。
よく言われることですが、そうなると記念スタンプなどとの違いはどこにあるのか、だんだん難しい話になってきます。

新聞やテレビニュースでも盛んに取り上げられたニュースの中には、お城の「御朱印」(様のもの)の話題も数多く取り上げられていました。
例えば、大阪城では自分で押す朱印が数年前から設置されており、「記念スタンプとして押していただいています」と掲示されていました。それがこの度、明らかに御朱印を意識したスタイルで、4月30日までは「平成最後」、5月1日から7日までは「令和最初」と記された「登閣符」を販売するのだとか。

大阪城「登閣符」販売(大阪日日新聞、2019年4月30日)

大阪日日新聞2019年4月30日より、下半分を拝借。
なおこの記事ではあくまで「登閣符」と書いており、「御朱印」という単語は一言も書かれていません

さらにはこちらの記事で書きましたように、「御朱印」と冠したスタンプラリーも登場してきています。
「スタンプラリー」「記念スタンプ」「御朱印様のもの」と「御朱印」の境界が世間的には急速にあやふやになっており、今回の改元に伴う過熱ぶりは、それを一層推し進めることにつながる気がします。

以前こちらの記事で、「ゆとり教育」から「脱ゆとり教育」に極端な揺り戻しがあったように、昨今の形式だけの歪んだ「働き方改革」にもそのうち大きな揺り戻しがくるのではないか、と書きました。
今回の過熱気味の報道、御朱印の転売問題や境界の不明確化などを見ると、御朱印ブームも、いつか何らかの形で揺り戻しが来るのでは、と思ってしまいます。
良くも悪くも極端に振り子が振れてしまう日本社会のこと、悪い方向には振れず、良い方向へ振れてくれるよう祈りたいものです。


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へろん

Author:へろん
へろん(♂)としろ(♀)の夫婦ですが、最近はへろん一人で書いてます。「御朱印」「SF」が多くなってますので、カテゴリからご興味のあるジャンルをお選び下さい。古い記事でもコメント頂けると喜びます。拍手コメントは気付くのが遅れてしまうことがありますが、申し訳ございません m(_ _)m

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