岐阜県七宗町・日本最古の石博物館
へろんです。
4月にめちゃくちゃ不安定になったパソコンが、5月に入ってから急に安定しました。バックアップやらチェックやらした他は何もしてないのに……。たまに勝手に強制される「更新」が関係あるのでしょうか。不思議です……。
* * *
2019年5月1日、岐阜市で御朱印を頂いた後で向かったのは、七宗町(ひちそうちょう、と読むそうです)の日本最古の石博物館。
今回岐阜に行くと決めてから調べて知ったのですが、1970年(昭和45年)に発見された日本最古の石を展示する、1996年(平成8年)開館の町立博物館です。

UFOのような?丸っこい建物。

入り口ではゆるキャラのレッキー君とレッキーちゃんがお出迎え。……って同じ名前ですか。
入館すると最初に、お子様向けの紹介映像が映し出される映像室に案内されます(すみません、最後まで観ませんでした……汗)。
映像室を出るとエレベータで下の階へ。
と、天井がチカチカ光り、壁に現れるレッキー君が語りだします。どうやら20億年前に時間遡行するというコンセプトのようで、エレベータが下がり始めると壁の数字も遡っていきます。

あ、慌てて撮ったのでイマイチですが……。
レッキー君の説明で「光速を超えると時間をさかのぼる」?とか何とか言ってたようで「ん?」と首を傾げた記憶があるのですが、すみません、うろ覚えです(^^;)

エレベータから出ると、いたってオーソドックスな展示室。やっぱりこういうスタイルが落ち着きます。
世界各地から集められた先カンブリア時代の岩石など、なかなか豪華です。

カナダ北部のスレイブ地域から見つかった、地球最古の岩石とされる39億6千万年前のアキャスタ片麻岩(写真上)。
そして左下の小さめの岩石の説明を読むと……「地球最古の鉱物(約43億年前)を含む礫岩(ジャックヒルズ礫岩)」。
あれっ、上が39億6千万年前で左下が43億年前? 左下のジャックヒルズ礫岩の方が古いじゃん。この博物館の資料をはじめ、大抵アキャスタ片麻岩が最古と紹介されているのですが……。
「岩石」と「鉱物」の違い?? Wikipediaの「岩石」のページによると、「鉱物は化学組成の均質な純物質であり、岩石はその混合物である」。
うーん、アキャスタ片麻岩はその全体が39億6千万年前であり、ジャックヒルズ礫岩は含まれる一部だけが43億年前で、全体はもっと新しい、ということでしょうか?
いずれにせよ地球の年齢46億年を考えると、ものすごい話です。

21億年前と最古の多細胞生物ではないかと考えられる、グリパニア・スピラリス Gripania spiralis 。肉眼で確認できる、大型の藻類の化石ということで、矢印の先を見ると……

どうやらこの渦巻きのようです。古代の化石って小さいものが多いですが、これは確かに大きい。

そしてメイン展示、ここ「七宗町で発見された20億年前の石」。
……ただしこの大きな石全体が20億年前、というわけではなくて、ラベルによると「日本最古の石(約20億年前の片麻岩礫:矢印で示した礫)を含む礫岩」。
岩の上にある赤い矢印をよく見ると……

うーん、矢印先端の、周りより少し白い部分でしょうか??

この石の裏にまわると、もう一つ赤い矢印がありました。はじめは白っぽく四角い部分全体が20億年前かと思ったのですが、そんなに広い範囲ならこちらを前面に展示するのでは? もしかすると矢印先端のもっと狭い部分なのかも……。
すみません、分かりません。矢印だけではなくて、この部分を拡大写真に撮って、ここが20億年前、と分かるように枠で囲った写真パネルなどを展示されてみてはいかがでしょうか。

見上げると内部構造が分かるように切り取られた大きな地球儀が回っています。直径3.15メートル、動くものとしては、世界最大級の大きさなのだとか。
これで思い出したのが、兵庫県加西市の加西丸山総合公園にある地球儀時計。

2012年6月17日撮影。直径は5メートル。

1998年に世界一と認定された「ギネス出版社認証文」のパネルも掲示されていました。当初は地球と同じく24時間で一回転自転していたそうですが……

2012年当時は故障中でした……。あれから7年経ちましたが、今は修理されているのでしょうか? もしも修復されていたら、こちらが最大になるのでしょうか??

月起源隕石や火星起源隕石、ベスタ(小惑星帯では3番目に大きい小惑星)起源隕石など、隕石の展示が充実していました。どこから飛来したかが分かるというのもすごいものです。
「岐阜大学隕石コレクション2012」とありましたので、岐阜大学の所蔵品でしょうか?

お子様には化石探しが人気のようです。
小さい博物館ですが、思ったよりも充実した博物館でした。
ところで。
後からこの博物館関連の記事を調べていると、こんな記事を発見しました。
2019年3月25日、島根県で25億年前の岩石が発見されたというのです。
何とさらに5億年古い!

来年2020年は日本最古の石発見から50周年として盛り上げていきたかっただろうに、七宗町も心中穏やかならざること、お察しいたします。
1970年に七宗町の岩石を発見された足立守・名古屋大学名誉教授(発見当時は大学院生)は「新しい発見は学問としては当然。それが出て来たことは、むしろうれしい」とおっしゃっています。ご立派です。
これが25億年前と確定されると、七宗町は「日本最古」と名乗れなくなるのかどうか……「博物館の名前を変更するかなどについては今後検討していくとしています」と記載されていますが……。
さらに調べてみると、こちらの記事では発見者の広島大学大学院・早坂康隆准教授が「あそこ(七宗町)には立派な博物館がありますので、津和野町の教育委員会に、七宗町のほうに津和野の石を寄贈していただくようにとお願いをしまして。ちゃんと日本最古の石を展示する博物館として継続して頑張っていただきたいと思っています」と述べておられました。
なるほど。
七宗町と津和野、両方の石が並んで展示されているのも良いですね。複数あれば、津和野でも展示すれば双方のメリットになりますし。ぜひ実現してほしいものです。
津和野では2019年4月27日より、津和野町郷土館で展示されているそうです……
ところが!
29日に展示されていたこの岩の一つがなくなっていたのだとか!!
うーん、これからどうなるか気になるニュースです。

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4月にめちゃくちゃ不安定になったパソコンが、5月に入ってから急に安定しました。バックアップやらチェックやらした他は何もしてないのに……。たまに勝手に強制される「更新」が関係あるのでしょうか。不思議です……。
* * *
2019年5月1日、岐阜市で御朱印を頂いた後で向かったのは、七宗町(ひちそうちょう、と読むそうです)の日本最古の石博物館。
今回岐阜に行くと決めてから調べて知ったのですが、1970年(昭和45年)に発見された日本最古の石を展示する、1996年(平成8年)開館の町立博物館です。

UFOのような?丸っこい建物。

入り口ではゆるキャラのレッキー君とレッキーちゃんがお出迎え。……って同じ名前ですか。
入館すると最初に、お子様向けの紹介映像が映し出される映像室に案内されます(すみません、最後まで観ませんでした……汗)。
映像室を出るとエレベータで下の階へ。
と、天井がチカチカ光り、壁に現れるレッキー君が語りだします。どうやら20億年前に時間遡行するというコンセプトのようで、エレベータが下がり始めると壁の数字も遡っていきます。

あ、慌てて撮ったのでイマイチですが……。
レッキー君の説明で「光速を超えると時間をさかのぼる」?とか何とか言ってたようで「ん?」と首を傾げた記憶があるのですが、すみません、うろ覚えです(^^;)

エレベータから出ると、いたってオーソドックスな展示室。やっぱりこういうスタイルが落ち着きます。
世界各地から集められた先カンブリア時代の岩石など、なかなか豪華です。

カナダ北部のスレイブ地域から見つかった、地球最古の岩石とされる39億6千万年前のアキャスタ片麻岩(写真上)。
そして左下の小さめの岩石の説明を読むと……「地球最古の鉱物(約43億年前)を含む礫岩(ジャックヒルズ礫岩)」。
あれっ、上が39億6千万年前で左下が43億年前? 左下のジャックヒルズ礫岩の方が古いじゃん。この博物館の資料をはじめ、大抵アキャスタ片麻岩が最古と紹介されているのですが……。
「岩石」と「鉱物」の違い?? Wikipediaの「岩石」のページによると、「鉱物は化学組成の均質な純物質であり、岩石はその混合物である」。
うーん、アキャスタ片麻岩はその全体が39億6千万年前であり、ジャックヒルズ礫岩は含まれる一部だけが43億年前で、全体はもっと新しい、ということでしょうか?
いずれにせよ地球の年齢46億年を考えると、ものすごい話です。

21億年前と最古の多細胞生物ではないかと考えられる、グリパニア・スピラリス Gripania spiralis 。肉眼で確認できる、大型の藻類の化石ということで、矢印の先を見ると……

どうやらこの渦巻きのようです。古代の化石って小さいものが多いですが、これは確かに大きい。

そしてメイン展示、ここ「七宗町で発見された20億年前の石」。
……ただしこの大きな石全体が20億年前、というわけではなくて、ラベルによると「日本最古の石(約20億年前の片麻岩礫:矢印で示した礫)を含む礫岩」。
岩の上にある赤い矢印をよく見ると……

うーん、矢印先端の、周りより少し白い部分でしょうか??

この石の裏にまわると、もう一つ赤い矢印がありました。はじめは白っぽく四角い部分全体が20億年前かと思ったのですが、そんなに広い範囲ならこちらを前面に展示するのでは? もしかすると矢印先端のもっと狭い部分なのかも……。
すみません、分かりません。矢印だけではなくて、この部分を拡大写真に撮って、ここが20億年前、と分かるように枠で囲った写真パネルなどを展示されてみてはいかがでしょうか。

見上げると内部構造が分かるように切り取られた大きな地球儀が回っています。直径3.15メートル、動くものとしては、世界最大級の大きさなのだとか。
これで思い出したのが、兵庫県加西市の加西丸山総合公園にある地球儀時計。

2012年6月17日撮影。直径は5メートル。

1998年に世界一と認定された「ギネス出版社認証文」のパネルも掲示されていました。当初は地球と同じく24時間で一回転自転していたそうですが……

2012年当時は故障中でした……。あれから7年経ちましたが、今は修理されているのでしょうか? もしも修復されていたら、こちらが最大になるのでしょうか??

月起源隕石や火星起源隕石、ベスタ(小惑星帯では3番目に大きい小惑星)起源隕石など、隕石の展示が充実していました。どこから飛来したかが分かるというのもすごいものです。
「岐阜大学隕石コレクション2012」とありましたので、岐阜大学の所蔵品でしょうか?

お子様には化石探しが人気のようです。
小さい博物館ですが、思ったよりも充実した博物館でした。
ところで。
後からこの博物館関連の記事を調べていると、こんな記事を発見しました。
2019年3月25日、島根県で25億年前の岩石が発見されたというのです。
何とさらに5億年古い!

来年2020年は日本最古の石発見から50周年として盛り上げていきたかっただろうに、七宗町も心中穏やかならざること、お察しいたします。
1970年に七宗町の岩石を発見された足立守・名古屋大学名誉教授(発見当時は大学院生)は「新しい発見は学問としては当然。それが出て来たことは、むしろうれしい」とおっしゃっています。ご立派です。
これが25億年前と確定されると、七宗町は「日本最古」と名乗れなくなるのかどうか……「博物館の名前を変更するかなどについては今後検討していくとしています」と記載されていますが……。
さらに調べてみると、こちらの記事では発見者の広島大学大学院・早坂康隆准教授が「あそこ(七宗町)には立派な博物館がありますので、津和野町の教育委員会に、七宗町のほうに津和野の石を寄贈していただくようにとお願いをしまして。ちゃんと日本最古の石を展示する博物館として継続して頑張っていただきたいと思っています」と述べておられました。
なるほど。
七宗町と津和野、両方の石が並んで展示されているのも良いですね。複数あれば、津和野でも展示すれば双方のメリットになりますし。ぜひ実現してほしいものです。
津和野では2019年4月27日より、津和野町郷土館で展示されているそうです……
ところが!
29日に展示されていたこの岩の一つがなくなっていたのだとか!!
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