沖田艦長の名言は・・・
へろんです。
いつどこで設定されたのかは分かりませんが、12月8日は『宇宙戦艦ヤマト』シリーズのメインキャラ、沖田十三艦長の誕生日だそうです。というわけで今日はこのネタを。
ちなみに沖田艦長の生まれは2147年……ええっ、とすると2199年当時は52歳……。(ちなみにリメイク版では別の設定もあるようです)
沖田艦長の名言はいくつかありますが、やはりあの冥王星宙域での会戦における一言が非常に有名ですね。
このシーンは松本零士先生の絵柄とともに、強烈な印象に残っています。

ところで沖田さんの肩書ですが、明確にヤマトに乗り込む前は「艦長」なのか「司令」なのか「提督」なのか(あるいは兼任!?)いまいち分からず、観てる方も意識していませんでした。『銀河英雄伝説』などを読むようになってやっと「艦長」と「提督」って違うんだ……などと理解したり(^^;)
以下に紹介するシーンでは「地球艦隊司令」という言葉があるので、《ヤマト》に乗り込む前は「沖田司令」が正しいようです。
では松本零士先生の漫画版より、以下に件のシーンを。
* * *
「敵艦より通信」
「何ていってる」
「ムダナテイコウハヤメテタダチニコウフクセヨ」
「………」
「何と返事しますか?」
「バカメ!」
「は?」
「バカメ、といえ」
「は! 地球艦隊司令よりガミラス艦隊司令へ。返信、バカメ、バカメ。終わりどうぞ。………うわー、怒った怒った!」
* * *
この場面をよく見返してみますと、通信内容を聞いた沖田司令は
「………」
といったんは沈黙を持って応えています。そこに通信士が返信内容を訊く言葉を発したため、思わず
「バカメ!」
と感情的な一言を返したのかも知れませんね。
決め台詞としてはカッコいいのですが、それを相手に送ってしまうと
「明日のために、今日の屈辱 に耐えるんだ。それが男だ!」
という名言も残る沖田司令にしては、戦術的にはあまり良い対応とは言えなかったような気もします。
少々コミカルな部分もあるので、そのまま送ってしまう通信士の間抜けさをあげつらう本やコメントも見かけるのですが……
ちょっと待ってほしい。
この通信士の立場にもなってみてほしい。
雲の上の存在である司令から、普通では考えられない、まぁ常識的には考えられないようなことを命じられたのです。
あなたが彼の立場だったら、どう対応しますか?
(なおリメイク版の『宇宙戦艦ヤマト2199』は見ていませんので、この場面がどんな風に描かれていたかはまったく知りません)
彼(通信士)の立場になってこの場面をノベライズするとしたら、私だったら、と書いてみますと……
* * *
「バカメ、といえ」
「は……よ、よろしいのですか?」
通信士はとまどって傍らの幕僚に目を向けた。
視線を受け止めた幕僚は、ややあって黙って頷いた。
(司令は何を言ってもお聞きにはならんさ。それに……これ以上事態が悪くなることもないだろう)
そう言っているようだった。
「わ……分かりました」
通信士は意を決して、回線を開いた。
* * *
「幕僚」ってもちろん原作版には登場しませんが、「司令」なら何らかのスタッフが傍にいるはずだと考えて書いてます。
田中芳樹先生の『銀河英雄伝説』では、艦隊戦の終結時に銀河帝国軍を指揮するラインハルト上級大将から自由惑星同盟の司令代理ヤン准将に向けて
「貴官の勇戦に敬意を表す、再戦の日まで壮健なれ」と、どうとるべきか悩ましい電文が送られてきます。返信をどうするか訊かれますが、ヤンは
「先方もそんなものは期待してないのじゃないかな。いいさ、放っておいて」
と一見つれない?返答をします。
この時はまだお互いをよく知らず、すでに登りつめつつあって余裕綽々のラインハルトに対して、まだまだ組織の末端に過ぎないと自認しているヤンとしては、戦術的にこれがいちばん無難な対応といえるでしょうね。
(もっとも後々に「あのとき私は返信をもらえなかった」なんてチクリと言われるんですけどね(^^;)
ところで。
米軍人アンソニー・クレメント・マコーリフ(1898~1975)は第二次世界大戦中の1944年12月、バジルの戦いでドイツ軍に完全包囲された時、降伏勧告を伝えに来た軍使に対して「Nuts!」(バカめ!)と答え、さらに公式回答としてドイツ軍に送ったのだとか。
ええっ、現実にもあったのか……。軍使に口で言うだけならともかく、送ってしまうところがすごい。
一般論として、「戦争」というものは結局は感情的で幼稚な面があることも確かであり、だからこそ現実でもこうした逸話が生まれてくるのだと思います。
でも仕事やビジネスだって「戦争」に例えられますし、俗にいう「企業戦士」(あまり好きな言葉ではないですが)だって様々な不合理と「戦い」続けてますよね。
日々の仕事でも「バカメ!」と叫びたくなることはよくありますが、戦局全体に係ることもなく、自分自身もバカの一員でしかない一兵卒に過ぎないことを思い知らされることも多々あります。
いつの時代も組織の末端は辛いですね(*´Д`)=3
いつどこで設定されたのかは分かりませんが、12月8日は『宇宙戦艦ヤマト』シリーズのメインキャラ、沖田十三艦長の誕生日だそうです。というわけで今日はこのネタを。
ちなみに沖田艦長の生まれは2147年……ええっ、とすると2199年当時は52歳……。(ちなみにリメイク版では別の設定もあるようです)
沖田艦長の名言はいくつかありますが、やはりあの冥王星宙域での会戦における一言が非常に有名ですね。
このシーンは松本零士先生の絵柄とともに、強烈な印象に残っています。

ところで沖田さんの肩書ですが、明確にヤマトに乗り込む前は「艦長」なのか「司令」なのか「提督」なのか(あるいは兼任!?)いまいち分からず、観てる方も意識していませんでした。『銀河英雄伝説』などを読むようになってやっと「艦長」と「提督」って違うんだ……などと理解したり(^^;)
以下に紹介するシーンでは「地球艦隊司令」という言葉があるので、《ヤマト》に乗り込む前は「沖田司令」が正しいようです。
では松本零士先生の漫画版より、以下に件のシーンを。
* * *
「敵艦より通信」
「何ていってる」
「ムダナテイコウハヤメテタダチニコウフクセヨ」
「………」
「何と返事しますか?」
「バカメ!」
「は?」
「バカメ、といえ」
「は! 地球艦隊司令よりガミラス艦隊司令へ。返信、バカメ、バカメ。終わりどうぞ。………うわー、怒った怒った!」
* * *
この場面をよく見返してみますと、通信内容を聞いた沖田司令は
「………」
といったんは沈黙を持って応えています。そこに通信士が返信内容を訊く言葉を発したため、思わず
「バカメ!」
と感情的な一言を返したのかも知れませんね。
決め台詞としてはカッコいいのですが、それを相手に送ってしまうと
「明日のために、今日の屈辱 に耐えるんだ。それが男だ!」
という名言も残る沖田司令にしては、戦術的にはあまり良い対応とは言えなかったような気もします。
少々コミカルな部分もあるので、そのまま送ってしまう通信士の間抜けさをあげつらう本やコメントも見かけるのですが……
ちょっと待ってほしい。
この通信士の立場にもなってみてほしい。
雲の上の存在である司令から、普通では考えられない、まぁ常識的には考えられないようなことを命じられたのです。
あなたが彼の立場だったら、どう対応しますか?
(なおリメイク版の『宇宙戦艦ヤマト2199』は見ていませんので、この場面がどんな風に描かれていたかはまったく知りません)
彼(通信士)の立場になってこの場面をノベライズするとしたら、私だったら、と書いてみますと……
* * *
「バカメ、といえ」
「は……よ、よろしいのですか?」
通信士はとまどって傍らの幕僚に目を向けた。
視線を受け止めた幕僚は、ややあって黙って頷いた。
(司令は何を言ってもお聞きにはならんさ。それに……これ以上事態が悪くなることもないだろう)
そう言っているようだった。
「わ……分かりました」
通信士は意を決して、回線を開いた。
* * *
「幕僚」ってもちろん原作版には登場しませんが、「司令」なら何らかのスタッフが傍にいるはずだと考えて書いてます。
田中芳樹先生の『銀河英雄伝説』では、艦隊戦の終結時に銀河帝国軍を指揮するラインハルト上級大将から自由惑星同盟の司令代理ヤン准将に向けて
「貴官の勇戦に敬意を表す、再戦の日まで壮健なれ」と、どうとるべきか悩ましい電文が送られてきます。返信をどうするか訊かれますが、ヤンは
「先方もそんなものは期待してないのじゃないかな。いいさ、放っておいて」
と一見つれない?返答をします。
この時はまだお互いをよく知らず、すでに登りつめつつあって余裕綽々のラインハルトに対して、まだまだ組織の末端に過ぎないと自認しているヤンとしては、戦術的にこれがいちばん無難な対応といえるでしょうね。
(もっとも後々に「あのとき私は返信をもらえなかった」なんてチクリと言われるんですけどね(^^;)
ところで。
米軍人アンソニー・クレメント・マコーリフ(1898~1975)は第二次世界大戦中の1944年12月、バジルの戦いでドイツ軍に完全包囲された時、降伏勧告を伝えに来た軍使に対して「Nuts!」(バカめ!)と答え、さらに公式回答としてドイツ軍に送ったのだとか。
ええっ、現実にもあったのか……。軍使に口で言うだけならともかく、送ってしまうところがすごい。
一般論として、「戦争」というものは結局は感情的で幼稚な面があることも確かであり、だからこそ現実でもこうした逸話が生まれてくるのだと思います。
でも仕事やビジネスだって「戦争」に例えられますし、俗にいう「企業戦士」(あまり好きな言葉ではないですが)だって様々な不合理と「戦い」続けてますよね。
日々の仕事でも「バカメ!」と叫びたくなることはよくありますが、戦局全体に係ることもなく、自分自身もバカの一員でしかない一兵卒に過ぎないことを思い知らされることも多々あります。
いつの時代も組織の末端は辛いですね(*´Д`)=3
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