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『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』-半世紀の想い出 その1

 このタイトルから若い方はリメイク版の『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト2202』のことと思うかもしれませんが、そちらではなくてオリジナルの『宇宙戦艦ヤマト』から1977年に生まれたアルバムです。
Wikipediaによれば、「『宇宙戦艦ヤマト』のBGMをオーケストラ向けに再編曲・再編成したインストゥルメンタル・アルバム。1977年12月25日にLPレコード、カセットで、日本コロムビアより発売」

交響組曲 宇宙戦艦ヤマト(1977)

 このアルバムは小学校の5年か6年の頃、友人の家で聴いて初めて知りました。

 当時(1970年代後半、昭和でいうと50年前後)は同級生どうしで遊ぶ時、結構お互いの家を行き来していました。
 同級生の家は豪勢な一軒家もあれば一軒家なんだけど明らかにボロ家(失礼!)だったり、公団住宅だったり、安アパートだったりといろいろでした。思い起こせば、明らかに現代と同等以上の格差が存在していました。しかしこれだけは強調しておきたいのですが、子供たちはそんなことは一切気にせず、自分の家を自慢したり人の家を蔑むことなどなく、分け隔てなく交流していました。
 細かい経緯は忘れましたが、なぜだか同級生数名でY君の自宅(たしか公団住宅)に集まり、子供たちだけで袋入りのインスタントラーメンを作って食べたことがあります。私はこの時が袋入りインスタントラーメン初体験で、美味しいと感動したものです。イマドキは子供たちだけで危ないだのなんだの言われそうですが、こういう経験というのは大事なんじゃないかと思っています。
 (突然ですが、はっきり言ってドラえもんワールドの方が(少なくともメインキャラ間では)はるかに格差が無いというか上流家庭ばっかりで、そのくせ差別や暴力的いじめが結構多い。陰険さは少ないのがせめてもの救いか…?)

 そんな友人の一人、H君の家は広い二階建ての一軒家で、たぶんお金持ちだったのでしょう。しかしH君はそんなことはまったく意識する様子もなく、貧乏人の私らとつるんで遊んでいました。
 同級生数名で彼の家に遊びに行った時、たぶん高級だったのでしょう、大きなオーディオセットがあり、それで初めてこのアルバムを聴かせてくれたのです。

 広い部屋で皆は音楽を聴き流しながらマンガを読んだりだべったりしていましたが、たまたま私はスピーカーのそばにおり、このアルバムの『明日への希望 ~夢・ロマン・冒険心~』が耳に入りました。
 前半は有名なあのスキャット。
 そして後半、主旋律のメロディと一緒に、それとは違うメロディが並行して奏でられていることに気付きました。思わずスピーカーに耳をつけんばかりに顔を近づけ、そのメロディを聞き取ろうとしました。
 皆はそんなことは気づきませんから何をしてるんだろう、と思ったことでしょう。ただこの時、それまで音楽といえば主旋律ばかりを追っていたのが、異なる旋律のメロディの集合、その美しさに気付いたのです。

 翌年正月。
 H君の家で聴いた『交響組曲 宇宙戦艦ヤマト』の感動が忘れられず、思い切ってお年玉で買ってしまいました。レコードを買うというのはこの時が生まれて初めてで、小学生としては一大決心でしたねえ(^^;)
 当時家の近くに住んでいた親戚のお兄ちゃんも割とオーディオに凝っていたようで、LPレコードは傷がつくからカセットテープに落としてテープを聴き、レコードの方は大切にとっておくと良い、と言って、そのアルバムをカセットテープに落としてくれました。
 ただ、自宅にあったラジカセでは、H君の家で感じたほどの感動は得られませんでした。
 当時の感動がよみがえったのは数年後、モノラルとステレオの違いに気付いてからでした。

 若い方にはLPレコードとかカセットテープとか通じないだろうなあ……ゴメンm(_ _;)m
 次回に続きます。


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テーマ : 宇宙戦艦ヤマト
ジャンル : アニメ・コミック

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No title

このLP,私も買いました。一番聴きたかった曲は「イスカンダル」です。

LPからカセットテープへの録音もしていました。当時はいいレコーダーを持っていなくて、レコードをかけながら、近くにカセットレコーダーを置いて、録音していました。懐かしいです。


へろんさんのヤマトにまつわる想い出、楽しみにしています!

私もこのLPがオーディオ趣味の始まりでした

こんばんは。

『交響組曲・宇宙戦艦ヤマト』!。
私にとっても中一の冬休みに自分のお小遣いで買った最初のLPレコードであり、その後の私の音楽とオーディオ趣味の方向性を決定付けたアルバムでした。
それと、楽曲はもちろんですが故・松本零士先生のジャケットイラストも最高ですね!。

話の続きを楽しみにしております。

Re: No title

愛希穂さん、コメントありがとうございます。

「イスカンダル」も良い曲ですね! このLPの曲はどれも名曲ですよね。
カセットテープへの録音、私もテレビ放送を録音する時はテレビの前にレコーダーを置いていました。すると雑音や犬の鳴き声まで入ってしまうのですが、その録音を何度も聞き返している間に、その犬の鳴き声も音楽の一部みたいに記憶に刷り込まれて……それも良い思い出です。

続編も少々お時間頂きますがアップしますので、よろしくお願いいたします m(_ _)m

Re: 私もこのLPがオーディオ趣味の始まりでした

トガジンさん、コメントありがとうございます。

以前トガジンさんもお書きでしたよね。トガジンさんも最初に買われたLPレコードとのこと、私たちの世代に与えた影響が大きかったものの一つに違いないですね。
ジャケットのことも、どこかの回で書くつもりです。このジャケットだけで一つの芸術ですよね。

続編も執筆中ですので、アップできましたらよろしくお願いいたします m(_ _)m

No title

こんにちは〜!

>前半は有名なあのスキャット。

あのスキャットを聴いただけで、ヤマトとヤマトが行く無限の宇宙空間が見えてきますもんね。世界に吸い込まれそうになります、いい意味で。

>思い起こせば、明らかに現代と同等以上の格差が存在していました。しかしこれだけは強調しておきたいのですが、子供たちはそんなことは一切気にせず、自分の家を自慢したり人の家を蔑むことなどなく、分け隔てなく交流していました。

これってめちゃ重要な昭和のファクターだと思っています。
当時の子供向け番組を見ても、そうなんですよ。金持ちの子も庶民の子も同じ公立の小学校に通っていて、普通に行き来があるんですよね。
当時も都市部ではお受験はあったと思いますが、今って、幼少時からお受験するような子はずっと同じような階層と家庭環境の子だけとつるむ。そういうコースになってる。これって良くないことだと思うんですよ。こういう子たちが大きくなってエリートとして国の中心になっても結局下層の人間の価値観や生活がわからないわけだし、個人としても幅の狭い人間になってしまいそうで。
つい力説してしまいました^^; 長々とすみません。

それはそうと、この組曲をしばらく聴いていると、戦闘シーンの緊迫感なども含めて色々なシーンが蘇ってきますね。
今、このコメントを書きながらyoutubeで聴いています^^

Re: No title

マナサビイさん、コメントありがとうございます。

スキャットの川島和子さん、いろんな作品に出てらっしゃるようですけどヤマトのスキャットが代表作の一つですよね。最初の録音の時からこのアルバム作製時には声が変わってて苦労されたといった話も読んだ記憶がありますが(^^;)

>こういう子たちが大きくなってエリートとして国の中心になっても結局下層の人間の価値観や生活がわからないわけだし、個人としても幅の狭い人間になってしまいそうで。

まったくおっしゃる通りだと思います。良いかどうかは別にしていろんな境遇や環境の人がいるのは事実であり、互いの接点がないと、いくら「多様性」を叫ぼうが「分断化」に陥るだけだと思います。
森山裕・選挙対策委員長が、昔は「苦労人」「たたき上げ」がたくさんいたのに、今は二世のおぼっちゃんばっかりで「苦労人」の声が政治に届いていない、と演説して与野党から称賛されていましたが、まったく同じことだと思います。

>色々なシーンが蘇ってきます
ほんと、映像とも切っても切れませんよね。セリフや場面をほとんどそらんじられるツワモノもいましたが、今でも思い出してるんだろうなあ、と懐かしく思います(^^)
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Author:へろん
へろん(♂)としろ(♀)の夫婦ですが、最近はへろん一人で書いてます。「御朱印」「SF」が多くなってますので、カテゴリからご興味のあるジャンルをお選び下さい。古い記事でもコメント頂けると喜びます。拍手コメントは気付くのが遅れてしまうことがありますが、申し訳ございません m(_ _)m

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