映画「デイ・アフター・トゥモロー」再見感想
へろんです。
2004年公開のアメリカ映画「デイ・アフター・トゥモロー」は、当時友人と映画館で観て、ホームページにもこんな文章をアップしました。あらすじや当時の主だった感想などこちらに載せておりますので、あわせてご覧いただければ幸いです。
2017年10月13日、読売テレビの金曜ロードショーでこの映画が放送され、もう一度見ることができました。

2004年公開当時のパンフレット。
もう一度見られるということで楽しみにしていた一つは、まるで中華街のような東京のシーン。……あれ? ない!? 見逃したのかなあ。それとも削られたのかなあ……。
この映画では、温暖化によって極地などの氷が融解し、淡水が大量に流れ込むことにより、海水の塩分濃度が低下して海流が停止、海流によって運ばれていた熱が運ばれなくなり、寒冷化が進行するという環境破壊の危機を描いています。
作中では危機を訴える主人公に対し、アメリカ副大統領がまともに取り合わず、対策が遅れていく様子が何度も描かれています。
「ですが一刻を争うんです。地球の気候が急激に変わろうとしている。今後6週間から8週間の間に」
「そういうのが起きるのは100年後という話だったろう」
「間違いでした」
「今回が間違いだ」
現実にも温暖化をはじめいろんな場面で、こうしたやり取りが繰り返されているのでしょう。
そうこうしているうちにヘリコプターの燃料も凍るほどの寒冷化(ちなみに作中で燃料はマイナス101℃で凍結すると説明されていました)が北半球を襲い、アメリカ人は難民と化して、メキシコへ「不法入国」の形で逃げ出していきます。昔の文章でも、この映画はアメリカ版「日本沈没」ではないか、と書きましたが、改めて見てもこの辺りはよく描いてくれたなあ、と思います。
ラスト、危機を甘く見ていた副大統領は、大統領として(途中で大統領は暴風雨に遭遇して亡くなったため)メキシコの大使館から演説を行います。
「この数週間、私たちは自然の容赦ない破壊力を前に、己の傲慢さを思い知らされました。長きにわたり、地球には限りなく資源がある、いくらでも好きに使えばいいと考えて生きてきました。そのような私たちは、間違っていた。私もです。隣国の大使館から、こうして最初の挨拶をしていること自体、新たな現実を迎えた証です。
今アメリカ人、そして世界中の大勢の人たちが、途上国と呼ばれた国々に世話になっています。助けを求める私たちを、彼らは迎え入れてくれた。温かいもてなしの気持ちに、深く感謝します」
やっぱりこの辺りは「日本沈没」を彷彿とさせます。
こうした場面は、パリ協定からの離脱を宣言した現大統領にも見てほしいんだけどなあ……。
それにしても当時も思ったけど、アメリカ人はメキシコに逃げることができても、日本人はどこへも逃げようがないなあ、とぞっとします。

2004年公開時のポスターの一つ。映画は当然アメリカをメインに描いていますが、一国だけにとどまるものではなく全世界に及ぶものだということを訴えるため、ロンドンやパリのバージョンも作られたそうです。
ヘリの燃料も凍るほどの極低温がそのまま居座ってしまったら、もう人類滅亡やなあ、と思いますが、最後には少しマシになって(それでもかつての氷河期ぐらい?)気候変動は落ち着きます。南半球が助かる程度でまだ良かった。
なにしろ地球の歴史上、赤道付近も含め、完全に氷床や海氷に覆われた全球凍結といわれる状態があったとも言われているのですから。
それにしても、改めて調べてみても温暖化や海流停止の可能性については、反対意見もあったり議論が続いているようです。本当はどうなるのか、それは誰にも分からないことなのでしょう。どちらか分からないのであれば、ならばこそ、悪い方の可能性にも目を閉じることなく向き合っていかねばならないのでしょう。そのためにも、こうしたSFの王道を描いた作品がもっと注目されてほしいものです。
2004年公開のアメリカ映画「デイ・アフター・トゥモロー」は、当時友人と映画館で観て、ホームページにもこんな文章をアップしました。あらすじや当時の主だった感想などこちらに載せておりますので、あわせてご覧いただければ幸いです。
2017年10月13日、読売テレビの金曜ロードショーでこの映画が放送され、もう一度見ることができました。

2004年公開当時のパンフレット。
もう一度見られるということで楽しみにしていた一つは、まるで中華街のような東京のシーン。……あれ? ない!? 見逃したのかなあ。それとも削られたのかなあ……。
この映画では、温暖化によって極地などの氷が融解し、淡水が大量に流れ込むことにより、海水の塩分濃度が低下して海流が停止、海流によって運ばれていた熱が運ばれなくなり、寒冷化が進行するという環境破壊の危機を描いています。
作中では危機を訴える主人公に対し、アメリカ副大統領がまともに取り合わず、対策が遅れていく様子が何度も描かれています。
「ですが一刻を争うんです。地球の気候が急激に変わろうとしている。今後6週間から8週間の間に」
「そういうのが起きるのは100年後という話だったろう」
「間違いでした」
「今回が間違いだ」
現実にも温暖化をはじめいろんな場面で、こうしたやり取りが繰り返されているのでしょう。
そうこうしているうちにヘリコプターの燃料も凍るほどの寒冷化(ちなみに作中で燃料はマイナス101℃で凍結すると説明されていました)が北半球を襲い、アメリカ人は難民と化して、メキシコへ「不法入国」の形で逃げ出していきます。昔の文章でも、この映画はアメリカ版「日本沈没」ではないか、と書きましたが、改めて見てもこの辺りはよく描いてくれたなあ、と思います。
ラスト、危機を甘く見ていた副大統領は、大統領として(途中で大統領は暴風雨に遭遇して亡くなったため)メキシコの大使館から演説を行います。
「この数週間、私たちは自然の容赦ない破壊力を前に、己の傲慢さを思い知らされました。長きにわたり、地球には限りなく資源がある、いくらでも好きに使えばいいと考えて生きてきました。そのような私たちは、間違っていた。私もです。隣国の大使館から、こうして最初の挨拶をしていること自体、新たな現実を迎えた証です。
今アメリカ人、そして世界中の大勢の人たちが、途上国と呼ばれた国々に世話になっています。助けを求める私たちを、彼らは迎え入れてくれた。温かいもてなしの気持ちに、深く感謝します」
やっぱりこの辺りは「日本沈没」を彷彿とさせます。
こうした場面は、パリ協定からの離脱を宣言した現大統領にも見てほしいんだけどなあ……。
それにしても当時も思ったけど、アメリカ人はメキシコに逃げることができても、日本人はどこへも逃げようがないなあ、とぞっとします。

2004年公開時のポスターの一つ。映画は当然アメリカをメインに描いていますが、一国だけにとどまるものではなく全世界に及ぶものだということを訴えるため、ロンドンやパリのバージョンも作られたそうです。
ヘリの燃料も凍るほどの極低温がそのまま居座ってしまったら、もう人類滅亡やなあ、と思いますが、最後には少しマシになって(それでもかつての氷河期ぐらい?)気候変動は落ち着きます。南半球が助かる程度でまだ良かった。
なにしろ地球の歴史上、赤道付近も含め、完全に氷床や海氷に覆われた全球凍結といわれる状態があったとも言われているのですから。
それにしても、改めて調べてみても温暖化や海流停止の可能性については、反対意見もあったり議論が続いているようです。本当はどうなるのか、それは誰にも分からないことなのでしょう。どちらか分からないのであれば、ならばこそ、悪い方の可能性にも目を閉じることなく向き合っていかねばならないのでしょう。そのためにも、こうしたSFの王道を描いた作品がもっと注目されてほしいものです。
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